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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【16章・魔術師は夢見た(後編)】
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【16ー7】

【16ー7】


 野方が魔力を解放させる。膨大な魔力が野方から放たれる。それが大気を震わせ世界の色を変えていく。

 美樹がそれを魔力盾で受け止める。美樹は自身の魔力を放出する。


 野方が周囲の魔力を集束させた。淡い蒼の光の粒子が吹雪のように舞い散って世界の景色を切り取っていく。蒼の吹雪は一点に向かって巨大なうねりを作り上げながら集束していく。その中心地で粒子は鈍い朱へと変色し沈み込むよう一つに溶け合っていく。


「それを信じさせなかったのも、また人だ!」


 私には分からない、そう美樹は思う。野方ほど何かに絶望なんてしていないから。

 もし彼の言葉をどこかで理解できたのなら私はなんて言葉を返しただろうか。その「もしも」を知る方法を私は知らない。だから。


「だからって、そうやって自分の感じてきたことだけで全てを決めつけたって!」

「それ以外、何を信じるというのかね!」

「自分の感性だって否定できるのがあんたなんだろう!?」


 野方が集束させた魔力の渦がじりじりと地鳴りを起こす。美樹は宙返りで野方へ向き直ると黒蛇の出力を最大まで引き上げる。

 言葉で変えられる筈だと思いたかった。

 そうならない事も知っていた。

 今までそんな事が多過ぎた、結末はいつも上手くいかないことばかりだった。

 けれど、璃瑠は言った。なにもかも意味がないなんて事はないと。梨花と佐樹は救われたと。


「そうさ、だから私が変える。人という存在をそれが作り出した歪んだ世界を」

「言ってることが正しかろうと! そんな歪んだ感性じゃ!」

「なら君は何を救えた! 何を成し得た!」


 美樹は黒蛇の限界まで出力を上げると砲撃魔法を組み上げる。野方が集束させた魔力を撃ち出した。着火され膨大な魔力が決壊したように美樹の元へ降り注ぐ。美樹の視界の端から端まで野方の莫大な砲撃に埋め尽くされていた。美樹は両手で黒蛇の銃身を抱えるようにして構える。


「君との時間もこれで終わりだ」

「ぶち抜けぇぇぇ!」


 美樹が砲撃を撃ち出した。撃ち出すと同時にその衝撃波が美樹の周囲で嵐として吹き荒れる。その波に呑まれ硝子の破片が細切れに舞い散る。

 互いの砲撃が激突した瞬間、白光に消えた。



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