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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【15章・騎士は迷った】
264/282

【15ー6】

【15-6】


 蛟が膨大な魔力量を撃ちだした。粒子の奔流が大気を震わせ壁となるものを全て呑み込みながら一閃の砲撃となる。

 撃った衝撃で足元のコンクリートが砕ける。砕けた破片が舞い上がる。目に見えるほどの衝撃波が何重にも重なって美樹を叩きつける。衝撃に身体が吹き飛びそうになる。

 撃ち出された魔力砲撃は前に撃ち出したにも関わらず膨大すぎる魔力が行き場を無くし美樹の元にも細かい粒子となって飛び散ってくる。


 まるで銃の先から鉛を垂れ流しているようだった、撃ち出した砲撃が重たく銃口の先を持ち上げているのさえ辛い。細かい振動は大きな振動に呑み込まれ両手の感覚がないせいで最早よく分からない。


 黒蛇を力一杯横に払う。それに併せて鈍重に砲撃も横に動き始める。薙払うようにして敵兵を一掃する。

 全てを消し飛ばし美樹の前に道が出来た。


 黒蛇を構え直す。蛟が唸りを上げて美樹の手に確かな感触を伝える。グングニルの射出サーキットへ向かって砲撃を撃ち出す。轟、と地鳴りの如く爆音が巻き起こる。空気が痺れるような音を叫び出す。


 蛟から溢れるように放出された魔力の砲撃が大気を切り裂いてグングニルへ射線を繋げ射出サーキットを貫いた。空色に溶け込んだプラスチックのような射出サーキットを魔力砲撃が貫き貫いたそばから、硝子のように砕け散っていく。

 その数十メートル近いサーキットの先から崩壊していく。しかしその巨大すぎるサーキット全て崩壊とまではいかなかった。先端だけ崩れ落ちたサーキットの根本で光球が鼓動したのが見えた。


「!?」


 美樹が全力で空を蹴る。今ここで射出されれば間に合わない。


「こんにゃろぉぉぉ!」


 サーキットの一部を破壊しただけでは意味がない。着地点がずれようと何処に落ちようと被害をもたらすのだから。

 サーキットを破壊して発射自体を躊躇わさせなければ意味がない。今強行されて撃たれればどうしようもない。

 光球が射出されたのが見えた。サーキットに加速され巨大な魔力の塊がサーキットを昇っていく。

 美樹がサーキットの欠けた先端へと飛んでたどり着く。周囲の大気が振動している。目の前から迫ってくる魔力の塊が近付いてくるほどに大気の振動が激しくなる。


 サーキットを今破壊しても意味がない。魔力の塊である射出されようとしている光球を破壊してもここで甚大な被害がでる。無力化するには時間が足りない。


「考えろ考えろ考えろ!」


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