【15-4】
【15ー4】
璃瑠の近接戦闘能力は群を抜いている。アルカナとして調整された彼女は小さな女性の身体に似つかわず並の人間以上の身体能力を誇る。
武器がなくともその体術で敵を制圧することが出来る。入曽と璃瑠が互いに武器もなくぶつかれば璃瑠は自信の勝利を確信しているほどだった。
しかし入曽は空気を圧縮し自由に操ることで武器をそこから生み出すことが出来る。厄介だった。勝ち目がないように見えた。
入曽の魔法が本当に本人の言うような魔法なら。
「どうしたんですか、焦っているように見えますけど。武器を生成すればいいじゃないですか、空気なんて余るほどあるのに」
「貴様……」
「あなたの魔法は視覚情報に干渉する魔法の何かです。爆発の起きた際、私に金属の破片がぶつかった。どこからも生まれるはずがない。あなたが空気の圧縮弾を撃つさいは引き金を引くかのような動作が見えた。今、あなたが剣を取りこぼした後何の替わりも生成しようとしない。
あなたは持っていた武器や手榴弾を見えなくしただけです。あなたの魔法はあなたの言うようなものではない」
璃瑠の予想に根ざした大きな賭けだった。そしてそれに勝った。
「さぁ、どうします。続けますか?」
「ここで退くことなど出来る筈がない」
「どうしてあなた達はそんな。あなた達の主張を止める権利は誰にもない。訴えたければそうすればいい、けれどグングニルなんてあの代物は必要ないでしょう。あなた達は人を殺そうとしているんですよ」
「こうでもしなければ聞く耳を持たない世界だ」
「そうしたところで聴いて貰えるとは思えませんよ」
入曽が腰の後ろに手を回そうとした。咄嗟に璃瑠が空を蹴り懐に飛び込む。入曽の顎を蹴り上げる。一瞬放心した入曽の腕を取り拘束する。
「きっとお前も気付く、後悔するときが来たときに」
「その責任くらい自分で負います」