【15ー1】
【15ー1】
「この国はもう保たぬ。虫に集られた果実はただ腐るのみ。今ここでこの国を作り変えなければならない」
「言うことが大袈裟なんですよ」
入曽が右手を突き出す。爆音が轟いて璃瑠を見えない弾丸が掠める。たかが空気だがその威力は危険だった。
「ならお前はどうしようと言うのだ。お前が守ろうとしているものを、どう改革しようと」
「それは誰か別の人の仕事で私のやることではないですから」
「そんな思考がいまこの現状を招いたと何故分からん。
武力によって国を変えるのが間違っていると? 正しいやり方で変えろと?
腐敗しきった構造と思考の停止した人民の上でそんなことがなされるわけがない。知らない、分からないと逃げ不満だけを口にし何も変えようとせず諦めだけをもった人民では不可能だ」
「今この現状があるのは多数決の結果でしょう」
「ならそれから溢れたものたちは無視してもいいと」
「極端すぎるって言ってるんです」
璃瑠が空を蹴る。霧風の切っ先が空を斬り裂き入曽の圧縮した空気の刃と衝突する。入曽が振りかぶる度に刃と霧風が激突する。
刃が見えなくともそこにある。
入曽が握って自身で振らなくてはならない以上、見えなくともだいたいの予測はつくようになってきた。
入曽が飛び退いた。それを追おうとした璃瑠の目の前で爆発が起きる。魔力盾を張り旋回しながら距離を詰めにいくが周囲で次々と爆発が起きる。
爆風で煽られて体勢を崩した璃瑠を空気の弾丸が襲う。霧風の刀身を盾にして弾丸を受け止める。火花が散り衝撃に身を持っていかれそうになる。
そして突如頭上で爆発がおきた。