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【14ー11】
[14ー11】
野方の元へ一報が届いた。さざなみに特殊部隊が潜入し戦闘になっていると言うのだ。
それを聞いて野方は深いため息を吐く。
自分達の上げた声に耳を貸さずに武力で制圧することを彼らは選んだということだ。
それでは何も変わらないというのに。
「グングニルの状況は」
「出力65%で停滞中であります」
「100%まで上げろ」
彼等が自分達を撃つというのなら、されるがまま、というわけにもいかなかった。でなければ、潰される。
それだけは避けなくてはならない。たとえ強硬な手段であっても。
撃たれるのならば、撃たねばならない。
「彼等がそういう手段を取るというのなら、私達も示さねばなるまい。そういう手段を」
その道を歩むと決めたのだから。
「グングニル起動。発射準備。チャージ完了と共に発射する。目標、国会議事堂」
【14章・女神は振り向いた完】