表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【14章・女神は振り向いた】
256/282

【14ー10】

【14ー10】


璃瑠に後方を任せて翔ぶ美樹の元へ弾丸が飛ぶ。建物の屋上にいる独立派の兵士が見えた。

飛び交う弾丸を回避しながら美樹は黒蛇を構える。砲撃用の拡張バレルを持ち上げ銃身へ連結させる。金属音が響き重心の位置が変わって美樹は黒蛇を構え直す。砲撃形態へと移行させると引き金を引く。

バレル内で力場が形成され、弾丸が加速によって撃ち出される。


太い光芒の一閃が空を裂き建物の屋上へ着弾し爆風を巻き起こす。


試作品として造られた黒蛇の追加オプションである強化拡張バレル「みずち」はまだ使うわけにはいかなかった。

「蛟」は従来の黒蛇から放つ事の出来る砲撃の数倍の威力を持った砲撃を可能とする追加オプションである。

美樹の背に担がれた蛟は黒蛇に装着し、黒蛇本体の銃口から打ち出された砲撃を加速剤として圧縮した魔力弾を発射するものである。

攻撃として使う魔力砲撃を加速剤として爆弾の如くエネルギーの塊であるそれを撃ち込むことでその威力は計り知れない。


「ただし、使えるのは三発限り、か。」


黒蛇で砲撃を連射しながら美樹はグングニルの元へと急ぐ。


璃瑠の言葉が胸に響く。迷子になってても見つけてみせる。

不安な気持ちに満ちた心をその言葉が掴まえて美樹の元へ繋ぎとめる。自分と世界を繋ぐものだと思う。


こよりにどんな言葉をかけられたら、こよりと世界を繋ぐことが出来たのだろうか。互いに拒絶しあったものを繋ぎとめることが出来たのだろうか。


まだ色んな物に答えは出せていなかった。

何が正しくてどうすれば良いのか。

この気持ちにどう整理をつければ良いのか。

こよりに何をしてあげたら良かったのか。

璃瑠にどんな返事をすれば良いのか。


何も分からない。ずっと分かったフリをしてきただけだ。それを誤魔化しつづけてはいけないのだと思う。

答えを考えるには時間は早すぎる。


「分からない。分からないから、いま出来ることをやるんだ、私は!

だからそこを退けぇ!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ