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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【14章・女神は振り向いた】
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【14ー8】


【14ー8】


美樹がヘリから空中へと身を投げ出す。重力に引かれ真っ直ぐ地上へと落ちていくその身体を飛行魔法を発動して姿勢を立て直す。

風との摩擦で身を焦がしそうになる。

遠かった筈の地表が目の前に勢いよく迫って来る。後ろの璃瑠に美樹は右手を降って返事をすると、着地の為に飛行魔法を制御した。


建物の屋上へポイントを定めると魔力盾を足元に展開し飛行魔法の制御で落下速度をできる限り減速させる。

屋上へ美樹が着地した、減速したもののその勢いは殺せず魔力盾が地面と衝突し火花を上げる。美樹は魔力盾をスケートボードのようにして勢いが収まるまで滑り切ると着地に成功してみせた。

遅れて続いた璃瑠も同様にして美樹の近くへ降り立つ。


「パラシュートいらないってのは便利だな」

「美樹さんも要らないです」

「軽口叩ける余裕があるのか」

「美樹さんが居ますから」


璃瑠の一言に美樹は虚を突かれる。璃瑠の笑顔に美樹は軽く笑ってみせた。


「なら、私の側を離れるなよ」

「何処で迷子になっていたって見つけますよ」


美樹が地を蹴って屋上から飛び降りる。GPSで表示した現在位置から、グングニルと思われる魔法反応が空に見える場所までおよそ1キロほどだった。


道路へ着地すると、素早く立ち上がり走り出す。さざなみはお台場の沖合に浮かぶ埋立地であり島全体がレジャー複合施設となっている。

平日にも関わらず多くの人が道に居た。駆け抜ける私達二人を何事かとすれ違う人が振り返る。


独立派がここを拠点としたからには先ほどの野方の演説放送もここに届いて居る筈だ。けれど彼らはそれを気に留めて居るようには思えなかった。

非日常へと遊びに来た彼らは日常へ帰れるからこそ、ここに居るのだ。


「これだけの民間人が居ては大規模な制圧行動は出来ない、考えましたね」

「そういうの構わずにミサイル撃ち込むのがお上ってもんだと私は思ってたよ」


宿泊施設もある、夜でも人は絶えないこのさざなみを選んだのは独立派のトップが東洋日本グループで、さざなみが東洋日本グループの出資を受けているからだけでなく、民間人がたえずいるからこそであろう。


大規模な制圧作戦はとれない。

被害の拡大も情報の漏洩も大きな打撃になる。


「このまま突っ切れれば」

「そうもいくまい」

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