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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【14章・女神は振り向いた】
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【14ー7】

【14ー7】


グングニル。巨大な魔力サーキットを形成し、それによって魔力弾を加速させて撃ち出す巨大な魔法。

魔法使い個人が使用する魔力弾とは質量、反応力が比較にもならない。

有効射程はエネルギーの塊である魔力弾が衰退し有効威力とならなくなる20キロ前後。お台場から霞が関まで充分届く。

サーキットにより射出された巨大な魔力弾が着弾すれば半径数キロは壊滅する。


「そんなもんを造って古い国をぶっ壊そうって言うのかよ」


石神佐樹にもたらされたその情報を得て美樹達は、魔力反応があったという台場の埋立地さざなみへと向かっていた。

まだ政府も上層部も何の判断も下していないが、独断専行で六課は部隊を出したのだった。ヘリの中で小隊に混じって美樹と璃瑠もいた。



「六課が投入出来る対魔法使い部隊は今ここにいる二個小隊と伏見、落合の魔法使い二名のみだ。やるべきは正面からぶつかる事ではない。グングニルの発射サーキットの形成を阻止しそれを潰す。そして速やかに撤退する」


小隊長がさざなみの見取り図を出した。

答えはまだ出ていない。まだ誰も出せていない。けれども、あの戦術兵器とでも言える大規模破壊魔法だけは潰すべきだというのは分かる。

この国を変えるのも構わない。国民がそれを受け入れて同調しようと、多少の無謀で図ろうとも、言葉で変わらないのならその仕組みみを変えようと言うのも、美樹は認めようと思った。

答えは人それぞれだろうから。


けれども、大量の犠牲者を出すやり方は認められない。

無関係な人を巻き込むやり方なんて認められるはずがない。

だから、グングニルだけは潰す。


「第一小隊はこのルートで、第二はそれを迂回するようにして術者を探し出せ。あれだけの魔法、組み上げている人間を確保し止めるんだ」

「私達は?」

「小隊とは別の地点で降下し、小隊で敵を引きつけている間にグングニルまで一気に接近、グングニルを可能であれば破壊しろ」

「了解」


ヘリから見える遠いお台場の街。その道に溢れんばかりの人間がひしめき歩いていく。デモ行進していく彼らは何を訴えたいのか。

それ程までに明確な答えを美樹は出せなかった。


理不尽な世界だと思う。歪みのある国だと思う。

その国を作り巣食う者たちが間違っているようには見える。それはおかしいとも思う。


けれど、今生きている日常を壊せるだろうか。変えていけるだろうか。その勇気は見当たらなかった。


変わるのが怖い。変えるのが怖い。間違っていると思いながら、仕方が無いと自分に言い聞かせて諦めをつけてきたのだ、みんな。

それに納得が出来ず声を上げたものも居た、それを冷たい目で見ながら馬鹿だと思いながら無視を決め込んできたのだ、みんな。


そうやってきた積み重ねが今現在だと言うのなら。今までを否定出来る強さを持つ人は居るのだろうか。

きっと野方はそういう人なのだ。


「降下ポイントへ到達。各員降下準備」

「美樹さん」

「……行くさ、私にはそんな答えしか出せないんだから」


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