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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【14章・女神は振り向いた】
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【14ー1】


【14ー1】


美樹に連れられた璃瑠は新宿駅の東口にある広場のベンチに腰掛けていた。美樹が両手にクレープを持って璃瑠の元へ帰ってくる。

片方を璃瑠に握らすと美樹はその横に腰掛けた。


「前来た時はクレープじゃなくてドーナッツ屋があったんだけどな」

「そうなんですか」


璃瑠はクレープにかぶりつきながら相槌を打つ。余計な事は聞かない事にした。美樹が話したがるまで、 話したがることだけを、聞くことにした。


「前来た時はあの事故の日だった」

「新宿大規模爆発事故ですか」

「うん。あの日が私にとって全ての始まりで理由でもある。いやきっかけに過ぎないのかな」

「……。」

「あの事故でこよりが魔法使いとしての力を手にしてから、私達の昨日は崩れた。私は六課に行き、璃瑠と会って、色んな事件に立ち会って。成功もした失敗もした。笑ったし泣いたし怒ったし喜んだ。必死で事件を解決していれば、いつかこよりに巡り会う機会があると思って。言葉で力でこよりを止められると思って。今までの事が全て無駄だったとは思わないけど」


そこで美樹は言葉を止めた。

本当は無駄だったなんて思っているのを誤魔化すかのように。


「けれどこんな結末じゃ、こんな終わり方じゃ何の意味も無いじゃないか!」


結局はこよりの為と、いつかはこよりの為になると走り続けて来たのは全て無駄だった。ただの遠回りの当て外れだった。

こよりを止められなければ、救えなければ何の意味も無かった。

伝わらないからって、伝えられないからって、それで、逃げ出しちゃ何も変わらない。本当は諦めずに踏み込んで、分かろうとして、伝えなくちゃいけなかった。

何かをやっている気になって本当に立ち向かうべき事から逃げ出した。こよりに拒絶される事をどっかで恐れてもう一歩踏み込めなかった。


「何も分かってないくせに、分かったふりして、ワケもワカンナイで、がむしゃらになる」

「なんですか、それ」

「こよりの言葉。本当にその通りだよ。当て外れの見当違いのがむしゃらで何かやった気になってるんだよ、みんな。そして無駄な道程で意味もない結果を掴むんだ」


場所を変えよう、と言って美樹は立ち上がった。その手を璃瑠は掴む。


「行き先、私が決めてもいいですか」


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