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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【13章・塔は開かれた】
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【13ー13】


【13ー13】


今まで言われるがままに、璃瑠は指示された敵を斬ってきた。そこにいつしか感傷も覚える事もなく、ただ淡々とこなしてきた。

だから、初めて。

心の何処かが疼いて。


高田梨花が、目の前で斬り合う少女の目が、涙で濡れている事に気付いて璃瑠は戸惑う。恐怖でも激昂でもない。その感情の高まりの正体が分からず璃瑠は戸惑う。


高田梨花は戦うしかないのだという。

でなければ自らの存在価値を認めてもらえないのだという。


「だぁぁぁっ!」

「ちぃっ」


それは。

自分と同じではないか。昔の自分と同じではないか。

アルカナなんていう宿命を背負わされて、戦うことでしか自分の居場所が見つからないと思っていた。でなければ呪われた存在なんか認めてもらえないと思っていた。



けれどそれは勘違いだった。本当は怖くて気付こうとしないだけで、手を伸ばせば握り返してくれる存在は居たと気付けなかった。


だからきっと、高田梨花もいつかは気付くはずなのだ。自らの存在を認識してくれる人が必ず居るのだと。自らの存在価値を必死で求めなくとも、そこに居る理由も居ていい価値もあるのだと。


「だから、こんな、こんなのはおかしいんですよ!」


高田梨花が璃瑠の頭上へ瞬間移動し、飛び込みざまに叢雲・雨を振り下ろす。璃瑠が身をよじって躱そうとするも叢雲・雨の刃は璃瑠の身を斬り裂いた。肩から胴にかけて一閃の斬撃が傷を作る。視界が血飛沫で埋め尽くされる。


「がぁっ!?」


璃瑠は身体から力が抜け崩れ落ちる中、魔法を構築する。辻風を左手で背中へ振り上げると、激痛を堪え身体ごと巻き込む様に力一杯辻風を投げ飛ばした。高田梨花が叢雲・雨を構え投げられた辻風を受け止める。その鈍器としての剣の質量に受け止めた高田梨花はよろめいた。

璃瑠は魔法を発動する。


璃瑠と高田梨花の間の一直線にサーキットを構築する。


魔力を練り上げる。集束した魔力に盾のように、壁を張る。その幾何学模様の盾は璃瑠が上にジャンプすると、璃瑠の足へ吸い付く様に近付いた。膝を曲げ、霧風を構えると、壁を蹴り飛ばす様に足を力一杯伸ばす。その瞬間に集束した魔力が開放され壁と璃瑠の力がぶつかり弾き出される様に璃瑠が勢いよく加速をつけ突進した。


「3.03B-01Rアクセラレイト・チャージャーサーキット」


もし仮に、こんな時でなく、こんな巡り合わせでなく、もっと違う出逢い方だったのなら、高田梨花をもっと違うやり方で止められたのだろうか。

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