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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【13章・塔は開かれた】
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【13ー8】

【13ー8】


スカイツリーへと突入しようとする璃瑠へ向かって頭上から閃光の如く弾丸が降り注いだ。目の前の空を蹴っ飛ばし宙返りでそれを回避すると即座に辻風を頭上へ向け内蔵されたハンドガンを撃ち出す。


高田梨花が璃瑠の頭上から急降下してライフルを内蔵した巨大な剣ー叢雲ーを振り下ろす。璃瑠の辻風がそれを受け止め金属音と火花が散った。


「霧風解放」


辻風からグリップが突き出し、それを掴んで霧風を抜きはなった。突如、大剣の中から飛び出してきた剣の一閃を高田梨花は魔力盾で受け止める。

剣として、そして鞘としての辻風に隠された剣、霧風。


そのまま切り込もうとした璃瑠の剣は空を切った。高田梨花の姿が消える。細かな粒子だけが舞う。

後ろのほうで風を切る音がして璃瑠は振り向き様に魔力盾を貼った。

突如後ろに出現した高田梨花の放った剣撃を受け止め魔力盾を消すと右手の霧風を振り切る。互いの剣がぶつかり合い剣に乗せた魔力が小規模な爆発を起こす。


「瞬間移動、やはり厄介ですね」

「見切っといてそんな言い草……3.02A-05Gディストードブレイド!」


高田梨花が後ろに飛び退いて距離をとると叢雲を構え引き金を引く、轟、と音が響き空間を歪ませて魔力の奔流が貫く様に璃瑠へ向かった。璃瑠は

身体を反転させて空中を転がる様にして回避すると空を蹴って高田梨花への距離を詰める。


辻風を叩きつけるようにその幅広の刃を振り下ろす。それを高田梨花は叢雲で受け止め互いの剣は反発した。その隙をついて璃瑠は霧風を横薙ぎに払う。その切っ先は高田梨花ぎりぎりを切り裂くも、後ろに退いた彼女には当たらなかった。


「3.02A-05Gディストードブレイド」


叢雲の銃口が魔力の奔流を撃ち出す。空間を歪ませながらその砲撃は璃瑠を狙う。


「射撃も格闘も出来て瞬間移動持ちとかどんなチートですか」

「えぇいっ!」


砲撃が掠めながらも璃瑠は回避すると急上昇する。それを見て高田梨花が叢雲を横に振り切るとその姿は消えた。

璃瑠の正面に突如高速移動して高田梨花が叢雲を構え突き出しそれを璃瑠の二本の剣が受け止める。


「何が狙いなんですか、あなた達は!」

「もう伝えたよ!」

「こんな方法で政府が応じるわけがない」

「だとすれば批判に変わるだけだよ」


璃瑠は二刀を振り払うと、半身を捻って高田梨花の手首を蹴り上げる。そこへ向かって霧風を突き立てるも魔力盾に阻まれた。


「テロを武力で排除して正義の味方気取りですか」

「それはそっちもだよね!」

「自覚があるなら結構です!」


高田梨花の姿が消えた。即座に振り向きつつ魔力盾を貼るもその先に高田梨花の姿はなかった。


「そう何度も同じ手を使うわけないよ!」


遥か眼下へと移動していた高田梨花が璃瑠へ向かって砲撃を放つ。霧風を辻風の内部へと仕舞うと、半歩身体を引いて構えを取る。


「2.02A-03リベレイトリィパリィ」


向かってきた砲撃へと向かって仕舞った霧風を居合切りの要領で思い切り引き抜きながら叩き斬る。

霧風が解き放たれると同時に剣に纏わせた魔力が加速して砲撃とぶつかり互いの魔力がパルスとなって力の行き場を求めて彷徨う。

それが璃瑠の肌を撫でて皮膚を焦がす。


「痛いところ突かれたからって口封じに来たんでしょ」


スカイツリー占拠をしたテロリストを速やかに排除した独立派はスカイツリーに居座り、国会議員の非公式活動記録と献金記録の公表を求めた。

問題は彼らがスカイツリーを占拠はしたものの彼らの行動自体は迅速に部隊を派遣して制圧されるものでもない。


明らかに過剰だ。彼らは占拠以外は何もして居らず、そればかりか先のテロリストに取られた人質の解放まで行ったのだから。


これを迅速に大量の部隊を投入までして制圧すれば世論は割れる。独立派側に有利な意見は充分表出する。


「この国の政治家の闇を解いて世直しでもする気ですか、あなた達は」

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