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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【13章・塔は開かれた】
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【13ー4】

【13ー4】


「5.02B-Fプレッシャーリージョン・オーバードライブ」


石神佐樹の足下から光の粒子が巻き上がる。石神佐樹の一挙一動に粒子がまとわりつくように舞い上がる。


鈍い鐘のような音が二度打ち鳴らされた。音が振動が空気を巻き込みながら沈み込んで行く。

目に見える範囲が全ての色が変わった。絵具を落とし込んだ水に見える。その空気が美樹の身体中にのしかかってくる。


まるで空気が重さを持ったかの様にただ無音で美樹の身体を軋ませる。

空中制御すら余りの重圧に難しくなり飛ぶのがやっとになる。

身体が悲鳴を上げる。のしかかる重圧で何処までが自分の身体か空気かの境界線も分からなくなるほど感覚が麻痺してくる。


気を抜けば落ちる。


「これは、……何度……食らって……も、慣れるもんじゃないな」


美樹がもがく様に空を蹴っ飛ばし後退しようとする。しかし、重さで思う様に動けない。

美樹が黒蛇をゆっくりと持ち上げると引き金を引く。しかし、砲撃はあまりの重圧に直ぐに下へ曲がりそして消えた。


「魔力……結合が重、圧に……耐え……きれない!?」


石神佐樹がハンドガンを拡張レールに接続すると、それを持ち上げる。光の粒子から線へそして壁へ。莫大な魔力を集束させ石神佐樹はそれを撃ち出した。


撃ち出された魔力の塊の速度はとても遅かった。光球は鼓動を打ちながらアテもないかのようにゆっくりと漂う。それは鼓動を打つ度に周囲の魔力を呑み込み巨大化していく。


「全て堕ちなさい、3.02A-05Tインペリアルジャッジメント」


石神佐樹がその中心へ向かって一線の砲撃を撃ち出した。細い途切れ途切れの閃光が光球の中心を撃ち抜く。膨れ上がった魔力の塊は歯止めを失って破裂した。

花火の様に無数の閃光が飛び散る。一つ一つの閃光が全てを塗りつぶす。


それは敵味方問わずその場にいた者達全てを呑み込んだ。大量の魔力の固まりに呑み込まれ悲鳴とともに全て消し飛んだ。


「3.01B-01Fディフェンスシールドデュアルストラクチャ、3.01B-01Gディフェンスシールドリアクティブ」


美樹は黒蛇を背負うと両手を前に突き出し、二つの防御魔法を同時発動する。二重の魔力盾を前に生成すると、その盾の前にもう一つ盾を作り出す。

粒子が光の線となりその軌跡が幾何学模様を作り出す。それが一瞬光ると盾としての魔力の塊が生まれた。


降り注ぐ魔力が盾に直撃した。

3.01B-01Gディフェンスシールドリアクティブは反応と同時に魔力盾が爆発し威力を相殺する魔法である。

それと二重の魔力盾。

守りは完璧な筈であった。


しかし、莫大な魔力が滝の様に降り注ぐと盾は淡く砕けた。


「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


魔力に呑み込まれた美樹の身体が焦げる。全てが持っていかれそうになる。ぶつかった部分に捻じ込まれる様に魔力の塊が重圧をもってぶつかってくる。皮膚にのめり込み、形を変えて血を沸騰させる。

痛みよりも違和感だった。あまりの衝撃に脳が追いつかない。圧だけで皮膚が切り裂かれる。


「ーー!!!!!!!!」

「終いね」

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