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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【13章・塔は開かれた】
232/282

【13ー1】

【13ー1】


美樹が黒蛇を砲撃形態へ移行させる。テロリストが二人アサルトライフルを連射しながら美樹へ向かう。空を蹴って旋回しながらそれを回避すると美樹はその二人を無視して翔ぶ。

後ろから弾丸が飛んでくる。耳元で空気が渦巻く音が聞こえる。左手で手榴弾を取り出すと安全装置のピンを口の端で噛んで引き抜く。


それを後ろ手に後ろへ放った。空中で炸裂した手榴弾が短い爆音を轟かせ空気を震わす。それを感じて空中で身を捻り姿勢を変えると黒蛇の引き金を引いた。


「3.02A-02D:2.02-02-01Cジェノブレイカー」


黒蛇の内部で生成された力場によって加速させられた魔力の塊がパルスを撒き散らしながら手榴弾の爆煙ごと貫きテロリスト二人を撃ち抜いた。

血が曼珠沙華のように無数の触手のように散ると彼等は力なく落下していく。それを見届けるでもなく美樹は加速する。

頭上から弾丸が降り注ぐ。方向転換して急停止すると頭の上に魔力盾を掲げる。


無数の鉛玉が盾にぶつかると跳ね返り散らばって行く。盾を貼ったまま黒蛇内部の力場のボルテージをあげて行く。そして黒蛇の銃口を天に向かって掲げる。


盾に弾丸がぶつかる度に火花が散り視界を拒む。その先に、敵の姿が見えそれへ狙いをすませる。そして引き金を引いた。自らの盾を引き裂き弾丸を呑み込み天空へ一線の光芒が走った。光と赤い噴水を撒き散らして光芒はか細くなった。そしてその姿が消えると美樹は次の敵へと向かう。


ロックするより先に引き金を引く。テロリストが砲撃をギリギリで回避すると、そのまま空を蹴って一気に直線飛行に移る、それを見て美樹は自分の目の前の空を蹴り上げた。背中から落ちて行くように飛び接近してくる敵との距離を保つ。後ろ向きに飛びながら黒蛇の引き金を引き続ける。


美樹の後ろへ回り込む様に一人が援護に入った。

挟撃される形となった美樹は一気に速度をあげて降下する。後ろをとってきた敵へとすれ違いざまに射撃を撃ち込む。


「璃瑠! スカイツリーにまだ取り付けないのか!?」

『現在、石神佐樹と交戦中!』

「私がそっちを引き付ける!」


追撃を撃ち落とすと、美樹は璃瑠の元へと向かう。

遠くの方に璃瑠と交戦中の佐樹が見え、美樹は足を止めた。空中で停止すると、黒蛇を構える。


足元から魔力が巻き上がる様に身体を包み込む。それを束ねて指先へ、そしてその先へ。黒蛇内部の力場を膨張させる。


「ぶち抜けぇ!」

「! ちぃっ!」


石神佐樹が動きを止めると、5ナンバーのプレッシャーリージョンを発動した。石神佐樹を中心に鐘のような打ち鳴らした鈍い音が広がり空気の色が変わった。美樹の放った砲撃が空気を蝕みながら直進するも、石神佐樹の発動したプレッシャーリージョンの範囲内に侵入すると光芒は下に曲がった。


「先に行け、璃瑠!」


私に向かって頷くと璃瑠は石神佐樹から距離をとる。


「随分と長い付き合いになっちまったな」

「相手にする気もないけれど」

「気付く間もなく堕としてやるよ」


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