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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【12章・太陽は沈んだ】
230/282

【12ー13】

【12ー13】


同時刻、東京。



それは突然の知らせだった。東京スカイツリーが武装グループによる占拠を受けた。武装グループは職員十数名を人質にとり立てこもり。そして政府に対して政治犯50名の開放を要求した。

そのニュースは犯行グループの声明と共に各種メディアとインターネットに政府の情報統制がかかる前に公表された。


エレベーターが固定されたことで、第一展望台まで300m以上、全長は600mを越すというその巨大な塔は最悪の要塞となった。

それに手をこまねく警察を見越してか武装グループは早急な回答を求めた。



梨花は東京スカイツリーを眺めていた。朝日の中に浮かび上がるそれはとても高くまるでそびえ立つ塔だった。

情報リークにより各種メディアにテロの情報が伝わった事で各社はこぞって報道ヘリを飛ばしていた。

東京スカイツリーまで2kmほど。民家の屋根の上で梨花は深呼吸する。後ろで軽い着地音がした。

佐樹がいた。


「指示が出たわ。始めましょう」

「うん、そうだね!」

「……。」

「あたしは大丈夫だよ、大丈夫」


梨花が笑顔で頷いてみせる。佐樹は少し悲しそうな顔を見せたが直ぐにそれは消えた。

梨花が地を蹴って飛び上がる。それに佐樹が続く。

東京スカイツリーの第一展望台に人質と犯行グループは集まって居るはずだった。

だから、そこへ跳ぶ。


梨花の姿が消えた。


第一展望台。そこへ突然現れた梨花の姿に犯行グループは動けなかった。

瞬間移動してきた彼女に動揺した、その大きな隙をついて梨花は彼女の武器である叢雲を構え引き金を引く。

光芒が一線、全てを破壊した。





『君達を呼び戻すのは様々な理由で適しているとは思えないけれども、状況が状況だ』


失意の私を待っていたのは緊急の通信であった。

こよりが死んだ。たった数時間もない前にはあんなに生き生きとしていた彼女が。美智の刃に倒れた。


『今より二時間前、武装グループが東京スカイツリーを占拠。職員19名を人質にとり立てこもった。彼らの要求は政治犯50名の解放だ。そして返答がない場合人質を殺害すると』


どうしてこうなったのだろうか。

なぜこよりが死ななくてはならない。

何がいけなかった。

何がおかしかった。

こんなのは誰も望んでいない。


『しかし、彼らは全滅させられた。警察でも陸自でもない。

独立派の魔法使いによってだ。』


美智は奪われた。新しい希望の芽を。それに錯乱して彼女は全てを壊そうとした。そしてそんなのはもう嫌だ、とこよりが止めに入った。

そうして二人の死によって全て収束した。

敵も憎むものも怒りの理由も分からないうちに力を振るって、そしてその守ろうとして握った手の平で何もかも壊れてしまった。


『事件を解決した独立派の魔法使い達は人質を救出し、人質を地上に解放。そして独立派の魔法使い達は声明を出した』


どうしてこよりが死ななくてはならない。

どうしてこよりが死ななくてはならない。


そんなのは絶対におかしい。

私はそんな、こんな結末の為に今まで頑張ってきたんじゃない。


『武装グループ相手に迅速に動けない弱い政府を批判し、彼等、独立派が人質解放の為に事態を解決したとのアピールを行った。これは政府としては由々しき事態だ。テロリストに人質までとられた占拠事件を解決され、なおかつその情報と声明は大きく拡散された』


なら私はどうすれば良かったのだろうか。

こよりが居ないんじゃ何の為に戦っているのか分からないじゃないか。


『独立派は未だ東京スカイツリー内部に居り更なる声明を出した。議員全ての非公式活動家記録と献金実態の公表だ。これは事実上のテロにあたる。独立派は事件を解決したと言っているが、先の邪魔者を排除し立てこもりによって自らの要求を行っているにすぎない。

これより東京スカイツリーを占拠する独立派の排除作戦を開始する』


【12章・太陽は沈んだ完】

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