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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【12章・太陽は沈んだ】
225/282

【12ー8】

【12ー8】


「話とやらは済んだんですか」

「……あぁ。」


璃瑠の元へ戻るとこよりと微妙な距離感を保って、張り詰めた空気が漂っていた。


「……おまえら二人きりだったのか」

「……仲良くしてましたよ」

「……うんホントホント」


嘘つくなよ。

この家では揉め事は無しだと言う新宿あらやどの言いつけを守ってか珍しく璃瑠は大人しかった。

表面上はだが。


こんなにも早くこよりと再会すると思わなかった。前回のテロの際に説得したかったのだが。


「これからどうすんだ」

「それはあたしに聞いてる様に見えてそうでもないよね」

「少なくとも、こよりにも聞いてるよ」

「……井草美智が何故革新派に居るのかあたしは詳しくは知らないけど、うん知らない、でも彼女が復讐の為に動いてるのは確かだよ。それって何でだか分かる?」

「人体実験の被検体にされ、用が済んだらポイなんて許せるわけがない」

「一番の問題はさ、彼女の居場所が何処にもないからだよ、きっと。だから壊してしまいたくなるんだよ、世界も人も。変えてしまいたくなるんだよ、失ってしまった心の隙間を埋める為に」

「でもそんなんじゃ」


何も救われない。何かを奪ったって埋める事なんて出来るはずがない。


「人体実験で完璧な魔法使いという改造人間になりました……なんて、そんなの誰が認めてくれるの、受け止めてくれるの。この世界に居場所を作ってくれるの。異質を拒絶して彼等はまた世界を形作って行くけど、美智はその時何処に居ればいいの。

拒絶された者たちは何処に辿り着くの」

「……。」


それはきっと、こよりが言いたいのは、私達もそれと同じだと言うことだ。

私とこよりの関係は異質だ。それ故に拒絶される。

それが嫌だから、こよりはそう言って世界を変えようとした。

けれど、私はそんなのは嫌だ。


「そこの璃瑠ちゃんだって一緒でしょ、誰が受け入れてくれるの。アルカナなんていう存在を。

世界が受け入れてくれないならその存在なんて……」

「違う」

「何が、何が?」

「私は璃瑠を知ってる。璃瑠は璃瑠だよ。どんな些細な問題があったって璃瑠であることは変わりない。」

「それが何の言い訳になるの」

「璃瑠がアルカナだって聞いた時、アルカナ計画の細部まで聞いた時、私は確かにそんなの気持ち悪いと思ったよ。でも私は璃瑠の事を知ってる。

璃瑠は璃瑠だし、こよりはこよりだろ?

私はそれで十分だと思ってる。」

「それで何が変わるの、変わるのさ」

「変わるんじゃない、変えていける。アルカナだろうと何だろうと璃瑠という人間を誰かが知ってくれたなら、それで受け入れてもらえる。要素じゃない、本質で」

「……。」

「人が誰かを拒絶するのは要素だよ、本質じゃない。だからそんなものに囚われずに本質を見抜けるなら人は分かり合える。

そしてその方法は私達は既に知ってる。なら人は変えていける、変わっていける」

「それが美樹ちゃんの答え?」

「そんな大層なものじゃないよ」


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