表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【12章・太陽は沈んだ】
219/282

【12ー2】

【12ー2】


「適当に座ってくれ。あぁ、それとストーブをつけてくれないか、脇に赤いボタンがあるからそれを押してくれ」


流される様にして私達は新宿あらやどの家へと招き入れられた。新宿がビニール袋をテーブルに置くと中から食料品を次々と取り出す。


「アカとシロどっちだ?」

「ワインの話なら未成年だよ」

「政治の話だが?」

「ワインの瓶片手に聞くとそうとは思えないよ」


璃瑠が私の後ろでキョロキョロしていた。


「にしてもこんなに早く来るとは思えなかった。他のは後から来るのか? いや、別々か」

「……あんたは何を言っている」

「あと三人来るだろう? 伏見だったか、お前が来るのは予想外だったが」

「は?」

「食器足りないからプラスチック皿だが勘弁してくれよ」


私が聞きたいのはそういう事じゃない。


「あと三人とはどういう事だ」

「お客さんが来るんだが? オレはてっきりお前らのお仲間かと」

「私達が来るのを知っていたというのか」

「そうだが?」

「どっから情報が漏れてる、政府筋のパイプラインがあるのか?」

「あー勘違いするなよ、もうそういうのは一切お断りだ」

「ならあんたは何故私達が来るのを知っていた、そしてあとの三人と言うのは誰だ」


新宿が忙しそうな手を止めた。私の方にオリーブオイルの瓶を向けた。


「伏見、お前魔法使いだな」

「そうだよ」

「なら魔法を信じているな? 5ナンバーは?」

「信じているし、私自身5ナンバーだよ」

「オレには特殊な力がある。未来予知だよ」

「未来予知……?」

「五人、それだけの来客がここに来る。その映像が見えた」

「んな馬鹿な」


未来予知だと。それによって私達が新宿を訪ねる事が予測の範囲内だったというのか。

第一未来予知などという魔法が、存在し得るのか。


「なら、用件も分かるのかしら?」

「!?」


知っている声がした。嫌な記憶が過る。


「弘佳に美智!?」

「勝手に上がらせて頂きましたわ」


この二人が来客だというのか。

突然家に押しかけられたにも関わらず新宿は余裕そうに笑った。


「役者が揃って来たな。それと久しぶりだな美智」

「なんであんた達が」

「こちらのセリフですわね」


こんなところで顔を合わせるとは予想していなかった。

どうする。腰のハンドガンのグリップを指の腹で触る。


「ストップだ。オレの家に揉め事は持ち込まないで欲しいな。それにまた誰か来た様だぞ」

「ごめんくださーい! あのー宅急便でーす!」


また知っている声がした。忘れられる筈がない、勘違いしようもない声が。


「下手な小芝居は良いから上がって来い」


足音騒がしく一人の少女が顔を出した。


「おお、なんだこりゃ。オールスター集結? 集合?」

「鷺ノ宮こより……」


私に璃瑠、弘佳に美智、そしてこよりと、あまり嬉しくないメンバーが揃った。


「なんなんだ、こりゃ」

「さて食事にしようか」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ