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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【11章・魔術師は夢見た(前編)】
216/282

【11ー20】

【11ー20】


革新派による同時多発テロより三日後。

テロは全て当日中に解決したものの、甚大な被害を出した。また弘佳達のグループによる新宿東永井ビル占拠事件はビル損失だけでなく、突入部隊と人質全てが行方不明という最悪の事態を招いた。

あまりの被害と魔法使いの存在により政府当局は情報統制と現場周囲の立ち入り禁止を行ったものの、高層ビルである東永井ビルの消失という事実は隠しきれるものでなく、インターネットを中心に爆発的に話は広まり情報開示を行わない政府への風当たりは非常に強かった。


東永井ビル消失現場への制圧を行った独立派の意図も未だ不明であり、一両日中に全て撤退した彼等の足取りも掴めずにいた。


「上も下もひっちゃかめっちゃかだぜ」


私のぼやきを璃瑠が拾った。


「現政権への批判もより強くなるでしょうね」


政府が積極的に行った日本への移民政策は、近年長引いている不況と失業率の増加が原因で厳しい評価を受けている。移民排斥への気運も高まりつつある。

また日本民間人の死者を出した日本海中南部海域不審船事件での対応の弱さもあいまって国民の中には右翼感情が高まりつつある。

おそらく次の選挙では中道右派が大きく議席を増やすかと思われるのだが、中道右派の政党が小さいため何とも言えないところである。


「政府はどう乗り切るか、だな」

「問題は六課も山積みです。魔法使いによる大規模テロに対してSATや六課では対処しきれないと露呈しました。現に大きな被害を出しています」

「陸自の魔法使い連隊が何処までやれるかだな。六課はそっちと足並み揃えてかないと」


私はそう答える。

妙に意識してしまって璃瑠と目が合わせられない。

私も問題を一つ抱えていた。


あの記憶が交錯した時見えた璃瑠の感情の奔流。あの中で璃瑠は私の事を好きだと言っていた。


つい意識してしまう。


「革新派は今回のテロでかなりの痛手を受けた筈です。しばらくは動けないかと思いますが」

「だが、あいつは降りないって言ってたぜ」

「……美樹さん」

「なんだ?」


改まった口調に私は動揺する。璃瑠がこっちに向き直ったせいで慌てる。

私は何を恐れているんだろう。

好意を寄せられている事? それを口に出される事か?


「あの……私」


そこで課長が顔を出した。


「仕事だ」

「貧乏休みなしっすね」

「美樹さん、心が貧乏なんですか」

「誰かさんのせいで心が休まらんのよ」


課長が声を落とした。


「今回の任務はとある人間をピックアップし保護してきて欲しい。

アルカナ計画に関わっていた人物だ。所在不明だったが最近居場所が割れた。革新派にアルカナ計画に通じるものがいる以上、革新派が壊滅状態の今、何らかのアクションを起こす可能性がある。そのため速やかに保護して六課へと連行して欲しい」

「保護……ですか?」

「ただし、その人物が我々に従わない場合や革新派に同調しようとする場合は情報漏洩を防ぐ為に然るべき手段を行使して欲しい」

「然るべき手段って」

「消せ」


【11章・魔術師は夢見た(前編)完】

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