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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【11章・魔術師は夢見た(前編)】
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【11ー18】

【11ー18】


梨花の家庭事情は悲しいものだった。交通事故で姉を亡くし、それによって梨花の母は精神的に壊れてしまった。

そして、出来の良かった梨花の姉が死んだ事を拒絶し、梨花の姉でなく梨花が死ねば良かったと願うようになってしまった。


そして母は最期まで生き残った梨花を呪い自殺した。いや梨花を巻き込んで無理心中しようとした。

そして梨花は生き残った。彼女の5ナンバーである瞬間移動によって。


親から拒絶された彼女は、魔法という力によって必要とされる場所を見つけた。

彼女は喜んだ。

魔法があれば、自分にしか出来ない事が出来る。認めてくれる人がいる。必要とされる。


だから彼女は魔法を使い続けた。闇雲に。

野方の指示の下。犯罪というものに手を染めてもなお。


そして梨花は一人の少女に出会った。



佐樹の人生はおそらく平凡なものであった。魔法に目覚めるまでは。

魔法という力で佐樹は人を殺した。友達を守りたかったから。

完璧な正義を実現したと思った。


けれどそのやり方では誰も笑ってくれなかった。褒めてくれなかった。

更生教育の後で待っていたのは誰からも投げ出された事実だった。親戚中をたらい回しにされながら行き着いたのは野方の所だった。どういうツテだったかは知らない。

野方は佐樹に言った。


君は間違っていなかった。

だから、これからは君のやり方を活かせる事をしよう。


二人の魔法使い。二人は野方の言われた通りに動いた。

佐樹の理想を体現するため。

梨花の顕示欲を満たすため。

二人は自らの目的のために動いた。

そして佐樹と梨花は出会った。


「こんにちは! 高田梨花です。石神佐樹ちゃん?だっけ、よろしくね!」


けれどもある日。


「高田梨花は恐らく1年と保たない」


ある日、そう告げられた。佐樹にはそれが理解出来なかった。


「そっかー、残念だなー」


そう明るく言う梨花を見て佐樹は理解出来なかった。

どうしてそれを告げられて平然としていられるのか。


「佐樹ちゃんとせっかく友達になれたのにね」


けれど佐樹は気付いた。笑顔の裏に隠しているだけなのだと。誰よりもその事実を受け止めきれないのだと。

そんな梨花を見て佐樹は耐えきれなかった。


「何か方法は無いんですか、梨花を助ける為の」

「魔法が彼女の、肉体を蝕んでいるのが原因だ。魔法の無害化、それさえできれば何とかなる」

「どうやって」

「それは分からない。けれど、その為に私は研究を重ねている。だから協力してくれないか、君の力を彼女を、助けるために貸して欲しい」


ただがむしゃらに。佐樹はひたすらに。梨花を救う為に動き続けた。

魔法の無害化さえ出来れば。その為だけにありとあらゆる人間から情報を得、奪い。

佐樹の目的はいつしか梨花の為だけになった。


「救ってみせる、必ず梨花を。私が」

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