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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【11章・魔術師は夢見た(前編)】
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【11ー17】

【11ー17】


「ねぇこの前のやつは何か分かったのかなぁ」


梨花の問いに佐樹は首をかしげた。

質問の意図が伝わってない事に気付き梨花は

付け加える。


「ほら、ビルが消えちゃったところ調べに行ったでしょ?」

「さぁ。野方さんからは何も聞いてないわ」


野方は何か勘付いたように佐樹には見えたが、彼は特に何も明言しなかった。

あの場所で何か見つける気は無かったという事か。


だが、野方は確かに言っていた。

梨花を救う為への大きな前進となる、と。


押し黙った佐樹を見て梨花はポツリと呟く。


「……ねぇ、あたしいつ死んじゃうのかな」


その問いに佐樹はどきりとする。


「……魔法の毒性は個人差が出るわ。いつ悪化するかは検討もつかない。一年かもしれないし三十年生きるかもしれない」

「嘘でしょ? 佐樹ちゃんの嘘はすぐ分かっちゃうから」


梨花の見つめる目が真っ直ぐ過ぎて佐樹は誤魔化せなかった。


「……一ヶ月はもたない、と」

「そっか。一ヶ月かぁ」

「……。」

「次の作戦を遂行したらどうなるのかな」

「おそらく政府との戦いは最終決戦を迎えるといってもいい」

「そっか。あたしの寿命それまで持つと良いなぁ。あたしが死んだら戦力減っちゃうもんね」


明るく言う梨花を見て佐樹は溜め込んでいた気持ちを吐き出す。押さえつけていたものが零れてしまう。


「……あなたはこれ以上闘うべきではないわ。戦えば戦うほどあなたの寿命は縮む。だからあなたは」

「それじゃあ駄目だよ。あたしは最後までみんなの役に立ちたい。じゃなきゃあたしなんで頑張ってるのか分からなくなっちゃうよ。それがあたしのやるべきことでしょ?」

「あなたは少しでも生き永らえるべきよ。あなたがこれ以上戦うなんて!」

「どうしてそんなこと言うの!?」

「あなたに生きて欲しいから!」

「矛盾だよ。戦わなきゃ必要とされないのに、必要とされてるから戦っちゃいけないなんて」


佐樹は梨花を抱きしめる。


「私はあなたに生きて欲しい。そんなこと言わないで」

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