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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【11章・魔術師は夢見た(前編)】
209/282

【11ー13】

【11ー13】


『突入部隊、人質、テロリスト、そしてあのビル全てがロスト。これを全滅と言わずしてなんというのかね!』

『独立派の武装グループは今も事件現場を占拠しています! 直ちに部隊の派遣を!』

『まずは真相解明が先でしょうが!』

『部隊を出そうにも何処のや!? 六課はアテにならんで!?』


私は無線の音声を切った。


「んで、何を始めようってんだよ。反省会か?」

「美樹さんなら手慣れたもんですね」

「そうそう、毎日が反省会だからな。っておい」

「緊張感の欠片もありませんわね」


こよりの助けで現場を脱出した私と璃瑠、弘佳と美智。そしてこよりの五人は現場近くのビルの一室で睨み合っていた。

互いに銃口を向けたまま、口だけを動かす。


「とりあえず武装解除しないか。このまま撃ち合う気はないんだろ? 話し合うなら武器捨てたほうがいい」

「でも落とし所がないよね、ないなーい」

「話し合いで何を解決するんですか、この状況で」

「武装解除すれば、そこの落合璃瑠が圧倒的有利ですわ。その手には乗れませんわね」

「……まず、鷺ノ宮こよりはなにがしたいのですか」

「おお、あんたのハンドガン、SIG P239か」

「美樹さん、銃マニアの趣味は今は抑えてください」

「P239は有名だから、割とみんな知ってるんじゃないかな、うん知ってる知ってる」

「私は銃マニアじゃねー!」

「緊張感の無さは余裕の裏返しですわね」

「……もう帰りませんか?」

「そうですね、塀の中に帰って欲しいですね」

「あたしは帰らない、帰らない帰らない帰らない」

「捕まったことねーだろ」

「今ここでやりあえばただでは済みませんわよ」

「……試してみますか?」


一瞬だった。璃瑠が美智の放った弾丸を掻い潜り、弘佳の喉元へ辻風を突き付ける。弘佳はそれを受け止め璃瑠へ銃口を突き付ける。璃瑠を狙って美智がとびこもうとし、それに立ちふさがるように私は美智へ銃口を突き付けた。


「あれ?」


一瞬の光景。互いに仕留め損ねたまま、動けない。そんな中、間の抜けた声がした。

あぶれるようにして、誰にも狙われず自由になったこよりが笑顔を作る。


「3.02B-04Uリアクトチェーン」


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