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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【一章・少女は欺いた(後編)】
20/282

【1-19】

【1-19】」


 薬師寺早苗と璃瑠の間に関さんと私が割って入るようにしながら視聴覚講義室に着いた。


「ここが視聴覚講義室です」


 関さんに鍵を開けてもらい中に入る。

 続いて璃瑠が私の後に続くと、関さんが薬師寺早苗を入り口で引き止めていた。形としては私と璃瑠だけが部屋に入ることとなった。

 たかが身長、されど身長。


「並ばないでください! 測らないでください! もうそこでじっとしてて下さい!」



 視聴覚講義室はキャスターによる移動式の長机が規則的にならび、入り口のある教室の正面に巨大なスクリーンとガラス戸の棚に映像メディアが置いてあるだけの殺風景な部屋だった。

 映像を見るための部屋らしいので窓には遮光カーテンがかかっていた。

 重たい黒が窓全体を覆っている。普段から遮光カーテンは締め切っているのだろう。

 締め切っているせいか、芳香剤がいくつも置いてある。微かな刺激臭がした。


「これ、うちのと同じ芳香剤だな」


 私はしゃがんで机の下を覗き込んでみると、教室の後ろの壁まで見渡せた。

 段差もなく長机の脚は細いものであるので遮るものは何も無い。

 つまるところ、何も見当たらなかった。しゃがみこんだまま私は聞く。


「この視覚講義室の鍵は普段はどこに」

「用務室と職員室、あと理事長のところに置いております」


 教材室の鍵と同じ保管場所である。


「それは誰でも持ち出せます?」

「届けがあれば生徒にも貸し出しています。ごくたまに無くす生徒も居ますが」


 えへへー、と照れくさそうに薬師寺早苗が笑った。お前かよ。


「なくしたのか」

「今月にねー。でもちゃんと最後には見つけて返したよー」


 三日間なくされたんですよ、と溜息まじりに関さんが言った。


「あれだな、問題児がいると大変っすね。私もよく分かります」


 大体、うちの六課にまともな人間が居ない。

 そしてパートナーも問題児である。

 良識にあふれ真面目な一般人の私としては関さんに精一杯の同情と最大限の共感をもっていた。

 問題児のパートナーが不思議そうに私に聞く。


「知りませんでした、問題児本人も大変なんですか?」

「問題児はお前だよ!」


 薬師寺早苗が驚きの声を上げる。


「私じゃないの!?」

「お前もだよ!」


 めんどくせぇ。

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