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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【10章・星は意味をもった】
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【10ー9】

【10ー9】


蜘蛛の巣の様に鎖が張り巡らされる。鎖を引き連れて、サブマシンガンのエムピー・セブンを肩から引っさげて、こよりが立っていた。

弘佳が顔だけをこよりに向ける。


「気付かれるのが早すぎると思ったら、あなたが情報を流したんですのね」

「ここ空気薄いね、薄い」


こよりは弘佳に銃口を向ける。


「なにが狙いなのかな、なにが。二回目の新宿大規模爆発事件を起こしてなにをするの?」

「次元の扉を開きますわ」


弘佳の答えに美樹は判断に迷う。こよりも電話口で同じような事を言っていた。扉を開く、と。


「次元の扉だと?」

「新宿大規模爆発事件は何かの影響により高濃度の魔力が爆発したせいだと、言われていますが実際は違いますわ。別次元との接触。それによる結果ですわ」

「別次元って何だよ、それ」


美樹に弘佳は答える。


「わたくし達の認識している世界よりもう一つ上の段階の次元があるはずですわ。わたくし達はそのステップへと進まなくてはなりません」

「なに言ってんのかワカンねぇ」


ただのテロリストかと思ったら夢想家だったか。

私達の認識しているより上の次元だと。


「新宿大規模爆発事件は別次元との接触により莫大なエネルギーがこちらに流入したせいで起きたものですわ」

「そんな根拠もないオカルトを」

「別次元の存在自体は確認されているものですわ」

「その根拠は?」

「アルカナ」


璃瑠の事が唐突に話に出てきて美樹は動揺する。アルカナは魔法使いを人工的に生み出そうとした強化人間計画の筈だ。それがなぜ、この別次元だとかういう途方もないSF話に関わってくるのだ。


「アルカナとは本来、高次元接触の際に確認された生命体につけられた名称です。アルカナ計画とは、本来それに近づくためのものですわ」


こよりが弘佳の話を引き継いだ。


「今の人間という枠から進化して次のステップへと進む。高次元との接触を行うための次の人類を作り出すのがアルカナ計画だよ」


高次元との接触を行なう為の人間を作る。それが革新派のいう人類の進化だというのか。

高次元の接触に耐えうる存在が人類の進化なのか、それとも高次元の接触の先に何かがあるというのか。

まず第一に高次元との接触とはなんだ。


「高次元との接触で何が起きると言うんだ」

「新宿大規模爆発事件、この別次元との接触はある結果を残しましたわ」

「?」

「魔法使いの大量発生。あの日を境に魔法を認識し、会得したものが大量に現れた。新宿を中心に」


あの事件に巻き込まれたこよりは、あの日魔法に目覚めた。

5ナンバーであった美樹は、より一層の能力向上を得た。

因果関係は十分あると思われた。


「魔法使いは人間の次のステップと言えますわ。別次元との接触は人類を次のステップに導くはず」

「そのために次元との接触を自発的に起こそうというのか。あんたが、ここで!」

「えぇ。」

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