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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【10章・星は意味をもった】
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【10ー6】

【10ー6】


弘佳は物音に気付いて振り返る。屋上のドアが乱暴に開いて、何か小さいものが飛び出して来たのが見えた。


「グレネード!」


手榴弾だと気付いて咄嗟に魔力盾を貼る。緩やかに放り投げられた手榴弾を美智が跳んで、蹴飛ばした。

蹴飛ばされた手榴弾が離れた位置で爆発した。美智が着地すると同時に彼女の刀、黒夜叉を振り抜く。

地をなぞる様に刀を振り上げた。振り切った刀から飛ばされた衝撃波が大地を這う。

屋上のドアへ向かった衝撃波は飛び出してきた璃瑠が切り裂いた。


「!?」


璃瑠が鞘の辻風から霧風を引き抜く。

霧風が鼓動し、紅い粒子が吹き上がる。

美智が地を蹴った。美智の黒夜叉と璃瑠の霧風が激突する。

火花を散らし金切り音が響く。


「……落合璃瑠!」

「だからなんですか……!」


美智が飛び退く。それを追って璃瑠が跳んだ。空中で璃瑠は辻風を叩きつける。美智がそれを防ぐと、璃瑠は半回転から右手の霧風を斬りつける。それを仰け反って交わし美智は姿勢を低くして飛びのいた。着地と同時に黒夜叉を地面に叩きつけると、衝撃波が翔ぶ。

それを飛び越えて璃瑠は再び距離を詰める。美智が衝撃波を二発飛ばし、璃瑠がそれを切り裂く。その隙をついて刀を水平に突き出して美智が突撃した。鋭い一閃を辻風を盾の様に構え防ぐとその衝撃が璃瑠の身体を通り抜ける。


「1.02A-02Jフラクタル」


刀の切っ先から一閃の衝撃波が走る。璃瑠の身体は吹き飛んだ。


着地点に向かって美智が刀を振り切り斬撃を飛ばす。

衝撃波は璃瑠の辻風に防がれると離散した。離散した衝撃波が璃瑠の髪を翻して行く。


美智が飛び込む。速いと呼ぶには速すぎた。

常人であれば、おそらく目で捉えることすら難しいスピードだった。踏み込む足が立てた音と切れ目すらなく美智が一瞬で璃瑠の喉へ刀を突き出す。

身構える隙すら与えず美智の一閃は璃瑠を刺し貫きかけるが、その刀を握る手を璃瑠は蹴り上げた。


振り上げた足を叩きつける様に地面に降ろして、それを軸に逆手で辻風を突き上げる。その重厚な鋼の一撃を美智は生身の左手で受け止める。


「な!?」


美智が刀を突き出す。その鋭い突きを璃瑠は飛び退いて避けた。突きの姿勢から美智が飛び込む。飛び退いた璃瑠までの距離を一気に詰める。咄嗟に横薙ぎに璃瑠は剣を払う。その一撃を美智は垂直跳びで飛び越えて刀の切っ先を振るう。


刀が掠めて璃瑠の頬から一筋、血が伝う。


「何なんですか、あなたは」

「……アルカナ」


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