【10ー3】
【10ー3】
私の携帯が鳴った。横で寝ていた璃瑠が目を覚まして私に怪訝な目を向ける。
出る気にはなれなかったが、発信主が六課であったので私は渋々と通話ボタンに指を伸ばす。
「はい、伏見」
『今何処です!?』
「なんすか」
『革新派と見られる武装グループが都内各所で武装蜂起しました!』
「え?」
状況は思った以上に切迫していた。
都内5箇所で、革新派の武装グループが一斉に武装蜂起。同時多発テロ。
なぜ、このタイミングで。
『声明は出ておらず、襲撃施設の関連性も不明です』
今まで割とおとなしかった革新派が一気に動いた。
何かの機会を待っていたとでも言うのか。
緊急招集の電話を切った私の手を璃瑠が掴んだ。
「私も行きます」
「わかったよ」
璃瑠の目が揺らいでいないことに気付いて、わたしは頷く。そこでまた携帯が鳴った。
「もしもし!?」
『……美樹ちゃん?』
「こより……?」
電話の先の声は聞き間違えようのない声だった。
私の携帯電話の番号は変えていない。こよりはまだ私の番号を覚えていたことに喜びを覚えた。
「こより!? どうなってんだよ」
『聞いて。革新派のグループが都内各地で同時多発テロを起こしたけど、彼らの狙いはそれじゃない』
「なに?」
『そっちは陽動で本丸は別にある』
『新宿で二度目の門を開くつもりだよ』