表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【10章・星は意味をもった】
183/282

【10ー2】

【10ー2】


私は課長に住所を聞いて璃瑠の家を訪ねていった。マンションの一室のインターホンを連打していると、チェーンをかけたままドアが開いた。


「璃瑠、こんなとこに居たのか」

「……なにしにきたんですか?」

「お前を探しにだよ」

「住所、課長に聞いたんですか」

「私は鼻が利くんだよ。……入っていいか」


一度、ドアが閉まってチェーンを外す音がした。


璃瑠の部屋は殺風景だった。備え付けの薄いカーテンと、部屋の隅にベット。小さなタンスの傍には電子機器が散らばっていた。


「……アルカナの事、聞いた」

「……気持ち悪いですか? 気持ち悪いですよね」

「薬品と洗脳、肉体改造と特殊な訓練。正直者言うとそんな物、薄気味悪いし、理解出来ないし、許せない」

「でしょうね」


それは正直な気持ちだった。非現実的な事実を私としては容認したくない。強化人間だなんて計画、受け入れられるわけがない。


「でも、私は璃瑠を知ってる」


アルカナだとか関係ない、落合璃瑠という人物を知っている。落合璃瑠という人物を好意を抱いてるちゃんと璃瑠として認識してる。

些細な差異があったて、璃瑠を知ってる。


「何が言いたいんですか」


璃瑠の目を見つめて、私は言葉を探す。


「私達という存在も観測者によって確定されるなら、全ての人間は無数の側面を見せる。何人が何百人が何億人がお前を観測したって、何億の側面が生まれたって、何億の観測者がお前を決定づけたって私は私の目でお前を見てる。


どんな言葉で飾ったって、私は本当の璃瑠を知ってる。

どんな事実で隠したって、私は本当の璃瑠を知ってる。

どんな虚言で逃げたって、私は本当の璃瑠を知ってる。

私は璃瑠を知ってる。だったら全部、些細な事じゃんか。

アルカナだろうとなんだろうと、璃瑠は璃瑠だろ」



「世界がどうあったって、私は璃瑠をちゃんと見てる。だから、そんな些細な事で泣くなよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ