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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【9章・死神は舞い降りた】
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【9ー17】


【9ー17】


辻風はただの剣ではない。その巨大な刀身には一振りの剣が収納されている。剣であり鈍器であり、「鞘」でもある。

それに仕込まれた剣、霧風は小型魔力生成エンジンを積む特殊な剣。近接特化の璃瑠にとっての秘密兵器にして最終兵器。全てを斬り裂き、全てを砕き、全てを貫く剣。

振るった後には何も残さず、存在だけが語られていく。故に「霧風」の名を冠する。


「……霧風ぇぇぇぇえええぇぇぇえぇぇぇえぇえええ!」

「まさかあれは!?」


璃瑠の叫びと共に霧風が鼓動を打つ。中央部のエンジンが駆動した。光の粒子を巻き上げ刀身を紅く染め上げていく。光の粒子が舞い上がり璃瑠を紅く包むと璃瑠が動いた。


「ぁぁぁぁあぁああああぁぁぁぁぁあぁあ!」


紅い弧を描きながら璃瑠は一気に接近する。魔法使いは魔力盾を張る。辻風が魔力盾に衝突し一撃は防がれる。だが璃瑠は突進の勢いを利用して盾に衝突した辻風を軸に魔法使いの上へ身体を持ち上げて宙返りをした。身体を捻り霧風を振り切り璃瑠は落下の勢いを利用して斬った。

そこから身を捻り霧風を真横に斬る。


血飛沫が上がり力尽き魔法使いが倒れてくるより先に璃瑠は次の目標の前まで移動していた。構えた槍を辻風をぶち当てで打ち上げると霧風を斜めしたから振り上げる。


「三っーー」


斬った相手を蹴り飛ばすと、即座に移動する。降り注ぐ銃弾の雨に向かって霧風を振り切ると光の粒子が刃のように飛んでいき銃弾を弾き飛ばしながら一人の魔法使いを貫いた。

それを追うように璃瑠は宙を蹴る。敵が魔力盾を貼るよりも速く璃瑠は切り抜けた。

璃瑠の姿が消えた。

魔法使いの後ろに突如出現し、魔法使いは慌てて引き金を引いた。銃弾が璃瑠を貫き璃瑠の姿は瓦解する。


「幻影!?」


そう言い切る前に頭上から舞い降りた璃瑠が両手の剣を振り切った。


「六っーー!」


璃瑠が剣を構え直す。右手には霧風を、左には逆手で持った辻風を。

サブマシンガンが銃声をけたたましく轟かす。闇夜を切り裂いて閃光が連なって飛ぶ。

その隙間を縫って璃瑠は飛び出した。

璃瑠の突撃で魔法使い達は散開する。後退しながら引き金を引き続けるも、璃瑠は一向に捉えられなかった。


「ぁぁああああああああああぁあぁあぁぁぁぁああぁ!!!」


璃瑠の一振りが紅い閃光のように瞬きサブマシンガンを砕きそのまま斬撃となり血飛沫をあげる。

即座に翔び通り抜けざまに、二人まとめて斬った。

璃瑠の雄叫びが続く。


「急になんだっていうの、あれは!」

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