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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【9章・死神は舞い降りた】
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【9ー15】

【9ー15】


黒のマントの一人が佐樹に近寄り何かを耳打ちする。佐樹は頷いて宙を蹴った。

一気に璃瑠との距離を離すと、背を向けて飛んでいく。


「な、待て!」


その刹那、黒マントの手に握られたサブマシンガンの銃声が轟いた。璃瑠は急降下する。連射されて打ち出された弾丸が璃瑠を追う。銃弾がエネルギー弾だと璃瑠は気付いた。


璃瑠の後ろを三人の編成が追う。銃弾の嵐をかいくぐり璃瑠は翔ぶ。直線飛翔では璃瑠のスピードは、圧倒的だった。

斜め前からも銃弾の嵐が闇夜を裂いて飛んでくる。

急停止して、宙を蹴り上げ旋回して射撃を回避する。暗闇の中、足元から魔力弾が無数に飛んできて璃瑠は反応が遅れた。

魔力盾を貼るも幾つかの魔力弾が璃瑠を直撃した。


「っーー!」


魔力弾が着弾と同時に爆ぜて璃瑠は吹き飛ぶ。


「3.02A-05Mインペリアルバスター」


頭上から佐樹の放った光芒が轟音を立てて降り注いだ。

璃瑠の眼前を光が通過する。直前で回避したものの余波で璃瑠は態勢を崩す。

黒マントの魔法使いは長い棒状の物を振りかざした。その先端にパルスが走り光る刃を作り出す。魔力の刃を焼き付けた槍だった。


槍を構え魔法使いが璃瑠に突撃する。それを援護して無数の弾がばら撒かれる。サブマシンガン無数の一直線の弾だ。しかし、それが一斉に放たれることで線ではなく、面となっていた。

銃弾の嵐を旋回して避けるも槍を持った魔法使いに

接近を許した。貫くような一撃をとっさに辻風で受け止めるもその勢いに押し込まれる。

槍を振り払うと頭上から狙い澄ました魔力弾の一撃が璃瑠の股を貫いた。


「ぁっーー!」


細かな血飛沫が舞う。痛覚を押し殺そうと歯を食いしばる。再び魔法使いが槍を突き出す。魔力の刃を

受け止めるが、魔法使いが槍を即座に引いて槍の柄で璃瑠に一撃を入れる。


璃瑠は、よろめいてそこへ魔力弾の雨が降り注ぐ。


「璃瑠!」


弾幕を呑み込んで砲撃が放たれた。闇を切り裂いて光の洪水が天を貫く。

美樹が砲撃を放ちながら璃瑠の側へ駆ける。


「なんで美樹さんこっちにいるんですか!? 高田梨花を追えと!」

「瞬間移動なんて追いかけられるわけないだろう!」

「職務放棄です」

「お前を放棄する方が問題だろが」

「え……?」

「13人相手にするのも無理だ。撤退するぜ」


敵は梨花の撤退を援護しようとする気はないらしい。ここで包囲網を張ってこちらを潰そうとしてきている。


「璃瑠、なんか手はないのか。こういう時にぴったりの魔法とかさ」

「フリーモジュールシールド、アクセラレイトチャージャーサーキット、エアコントロール、ディフェンスシールド、アクセラレイト、スカーレットスキャーダ、イリュージョン。私の手持ちはこれくらいです」

「正面突破しかなさそうな手持ちだなーー!?」

「美樹さん!?」


それは一瞬の出来事で、けれど璃瑠には永遠のような長さに見えた。雷光が美樹を貫いた。

力なく四肢は揺れ身体は落下していく。落ちていく美樹に手を伸ばしてその手首を掴んで抱き上げるように美樹の身体を捕まえる。


「美樹さん! しっかりしてください! 美樹さん!」

「っ……ぁぁ」


身体を支えている璃瑠の手に生温いものが伝う。


「……ぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁあああああぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあぁあ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


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