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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【9章・死神は舞い降りた】
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【9ー11】

【9ー11】


「狂っているのは本当にその者たちなのでしょうかね」


声がしてこよりは素早く身構えた。

弘佳と美智が立っていた。気がつかない内に目の前にいた二人組に沙織は腰を抜かす。


「!? 来たんだね」

「その者たちが狂っている、そうあなたが認識しているだけでそうであるとは限りませんわ」

「観測者の問題はその事象がミクロなものであればあるほど関係がなくなるよ、なくなる。それとも、弘佳が言っているのは主観と認識の問題の方かな」


こうも早く動き出すとは思っていなかった。

弘佳と美智との距離は3メートルもなかった。気配に全く気付けなかったことに、こよりは動揺する。


「最終警告ですわ。おとなしく入間沙織を渡せばなんのーー」

「断るって言ったよね?」

「それが意味する事を分かっているのですわよね?」

「えーわかんないかなーあたし頭悪くてー手癖も悪いからさ!」


弘佳と美智の足元から鎖が出現し、二人に絡み付いた。地面から伸びた鎖は張り詰め二人の身動きを封じる。

こよりは沙織の手を引くと窓から飛び降りた。

風が下から吹き上げる。窓から飛び降りたことに気が付いて沙織は悲鳴をあげる。


「嫌ぁぁぁ!? 落ちるぅぅぅ!?」

「少し黙ってて」


沙織を抱きかかえこよりは飛行魔法を発動する。減速し近くのビルの屋上き着地すると、こよりはハンドガンを引き抜いた。

こよりの後ろで沙織はぶつぶつと呟く。


「飛んでた……あたし飛んでた」

「どうしようかなぁ、これは」


こよりは悩む。さて、どうする。

相手は二人だけという保証はない上、二人相手に勝てるかも分からない。沙織を抱えて飛んでもおそらく追い付かれる。


それに、まだ夕刻で一目もあるというのにこんな街中で仕掛けてくるというのか。


「やるっきゃないかな、やるっきゃ」


沙織を下がらせると弘佳がこよりの前に飛び降りてきた。弘佳の後ろに控えるようにして美智も続く。


「早いね、来るのが。それより良いの? こんな街中で戦闘なんか起こして?」

「ならこんなビルの屋上でなく街中に降りた方が良かったのではなくって?」

「空から女の子が降りてきたらパニックってレベルじゃないよ」

「ならこの屋上で勝負をつければよろのしいかしら。美智、任せましたわ」


こよりがハンドガンを構えた。引き金を引く直前に、こよりの視界を影が遮った。美智がこよりの目の前に飛び出し提げた刀に手をかける。刀の柄でこよりの手を突き上げ、中段から横凪に刀を払った。

こよりは吹き飛ぶ。左肩に鈍い痛みが突き刺さる。


美智の手には漆黒の刀身を持つ刀が握られていた。

黒夜叉。

刀身から柄まで黒一色の刀。


「痛っーー」


こよりは立ち上がる。

刀の一撃が見えなかった。

咄嗟に魔力盾を貼ったが防ぎきれなかった。

立ち上がったこよりを見て、美智は再び刀を構え直した。


「……外しましたか?」

「じゅーぶん、決まったと思うよ、決まってる」


でなければ、血はでるまい。

こよりが足を踏み鳴らした。美智の足元から鎖が飛び出す。魔力で構成された鎖は空を凪ぎながら美智に向かって蛇の様に飛びかかる。それが体に触れる寸前に美智が飛び出した。その行く先を新たに出現した鎖が防ぐ。

美智は足を止めない。刀を勢いよく振り切った。

紙を切るかの様に刀が触れるだけで無数の鎖を断ち切っていく。こよりが引き金を引いた。美智が放たれた銃弾を刀で弾く。


「!?」


切っ先が踊るように一閃を描く。美智が低い姿勢から刀を突き出した。

躱してこよりは魔法を発動する。鎖が四方から美智に向かう。その鎖を刀で振り払うと鎖は砕け散った。砕け散った鎖を吹き飛ばし美智は一気に距離を詰める。

こよりの貼った魔力盾を美智は一太刀で切り裂いた。魔力の塊を無数の欠片の状態へと還し、その欠片が放つ光の煌めきの中で美智は刀を引く。


「魔力盾を切り裂いたーー!?」

「……1.02A-02Rダストエクスプロージョン」


美智が踏み込む。刀が空を撫でた。刀の軌跡が空を滲ませ膨らんだ。

こよりの目の前で爆発が起きてこよりは宙に放り出される。爆風がこよりを傷付ける。

美智が地を蹴って跳び上がり黒夜叉を上段構えなら振り下ろした。こよりが咄嗟に魔力盾を貼る。空間に二重の魔力の塊が生成される。


「3.01B-01Fディフェンスシールドデュアルストラクチャ 」

「……ごめんなさい」


二重に貼られた盾を一閃で砕き黒夜叉はこよりを貫いた。


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