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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【9章・死神は舞い降りた】
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【9ー9】

【9ー9】


「何やってんの? トラック出ちゃったけど」


沙織が空になった隠れ家の隅に腰を下ろしているこよりに声をかけた。おネェ達は隠れ家の機材を載せたトラックにこよりと沙織以外の全員を載せてすでに出発していた。


「あたしたちはー、後で合流、そう後で。何かあった時、沙織ちゃんと二人っきりの方が戦いやすいからね」

「向こうの人達は守らなくていいの?」

「優先順位が違う違う。こっちにしても敵にしてもねー」


ペットボトル飲料を沙織に投げて渡し、それを受け取ると沙織はこよりの斜め前に腰を下ろした。

時計を少し見てこよりは再び壁にもたれかかる。

こよりが何も喋らなかったので沙織は口を開く。


「あんたの言ってた人類の進化って具体的にどうする気?」

「わかんなーい」

「え?」

「魔法という新たな可能性を手に入れた事で人類は古い価値観を捨て去る、っていうのにかけてるよ、うんギャンブル」

「ギャンブル……」


ギャンブルといっても、手放しなものではない。

必要なものは与えよう。しかし、それを受けてどう変わるかまではこよりには予想出来なかった。


魔法は新たな価値観を生み出す。魔法は社会の構造を変える。

その先に人間が見出すものは何かは分からない。

だが、そこにこよりの願うような場所があることをこよりは願っている。


「もうちょっと考えてるのもあるけど、そっちも夢物語だからね、夢物語」

「……あんたは、その……好きな人と一緒になりたいってのが夢なんでしょ。なんで進化なんて」

「誰かに認めてもらいたいから、だよだよ」

「認めてもらいたい?」


沙織の疑問にこよりは答える。


「あたしとその人が一緒になってもそれを祝福してもらえなきゃ意味がないから」

「?」

「人間ってさ、間違ってばかりだよ、間違ってばかり。人間って、認識したものを必ず何処かで線を引くんだよ。性別、容姿、人種、身分、そんなもので人間は互いを自ら区別してしまう」

「……。」

「区別の幾つかは差別に繋がり、差別はいつしか悲劇を生む、生むね。旧来の価値観で人は分かり合うことを、上っ面の奥にあることを理解しようとすることを拒否してる」

「でもそれを捨て去るなんて」


旧来の価値観では、こよりの愛は報われない。世界から祝福されない。


「あたしね、好きな人って女の子なんだ」


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