【1-16】
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璃瑠の考えがイマイチ掴めないので、私は「魔法」以外で学園から出る方法を探すことにする。
私は正面門のところまで来ていた。正面門は塀の高さとあまり変わらない鉄格子の扉がありその脇に防犯カメラが設置してある。
防犯カメラは門の出入りを完全に捕らえられる位置であり、死角はなさそうである。
門の脇に監視所があり守衛が一人常駐している。
ここでIDカードの提示と外出届を提出することで、外に出ることが出来る。
カメラに映らずというのがやはり厳しい。璃瑠のチェックもあったし、カメラに細工したりはしていないようだ。
他の門に行っても同じだった。どこも防犯カメラがあり死角は見当たらない。
やはり入間佐織が魔法使いである可能性が高まってきた。
そこで電話がなった。
合流しろとのことだった。
随分と勝手だな。寛大な私は従うけれど。
入間沙織の部屋は薬師寺早苗の部屋でもある。
本日二度目の対面となる彼女は部屋の中をある意味荒らされているわけで。その面持ちには穏やかでないものが見えた。
薬師寺早苗の目には涙さえ見える。
「刑事さんー、この人が部屋をー」
「ごめんね、本当にごめんね。璃瑠って気が回らないからゴメンね」
「美樹さんは頭を回してくださいよ」
課長はちゃんと根回ししてほしい。
「で、何か見つかったのか?」
私は入間沙織の部屋の物を元に戻すのを手伝ってやりながら聞く。
璃瑠が透明なビニール袋に入れた幾つかの入間沙織の所持品を私に見せた。
「携帯の充電器がありました」
「そりゃ携帯くらい持ってるでしょ、最近の子なら」
私の返事に璃瑠は小馬鹿にした態度を見せた。
癪に障る。
「普通持って行きませんか、旅行カバンすら持ち出すなら」
璃瑠は他にも、なんて言って別のものも見せる。
携帯用の洗顔材、常備薬、はぶらしセット。
璃瑠が言いたいのはこうだ、これらのものを家出するなら持っていかないか、と。
「美樹さん、私は入間沙織がみずから失踪を選んだとは思えません。
少なくとも旅行カバンの中には外泊するための準備はありませんでした」
「でも私は結構ホテルの設備に期待するタイプだな」
私の返事に璃瑠は眉をひそめた。わがまま姫の機嫌を損ねてしまったか。
「美樹さんが失踪すればいいのに」
「失敬な」
「失言でした」
「くだらなくて失笑するよ」