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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【8章・正義は遺した】
147/282

【8ー3】

【8ー3】


「上井博彦とは熱帯魚仲間なんでしたっけ」

「そうそう。大学が一緒らしい」


そういえば、上井をニュースで見たと課長が言っていた。

試しに上井博彦でネット検索をかけてみることにした。

似た名前の役者が検索で出てきたが関係は無いようだった。他のページを眺めていくと一つのニュースサイトに引っかかった。


東日本ビル火災事故訴訟、遺族側の勝訴。

そんな見出しであった。集団訴訟遺族側の代表者の名前が連なっている中に上井博彦の名前があった。課長が見たというニュースはこれだろうか。


「璃瑠、東日本ビル火災事故って分かるか?」

「えーと、いつ起きた事故ですか?」

「書いてあるのは、五年、いや六年前かな」

「ちょっと分からないです」


東日本ビル火災事故で検索をかけてみる。

東京都の東日本ビルで起きた大規模な火災事故。死者、56名。負傷者120名。

かなり大きな事故だったようだ。

六年前というと私は小学生か。


「その火災事故がどうしました?」

「上井博彦はこの事故で身内を亡くしたらしい」


オーナーらは業務上過失致死罪で地裁から有罪判決が出ている。民事で遺族側に計10億円以上の支払い。

消防法違反が被害拡大を招いたとしてかなりのバッシングを受けたようだ。


「帰ったら課長に聞いてみるか」


上井を見たのは多分これでだろう。

東日本ビル火災事故について書いたサイトを流し見ていく。上井博彦の名前はこれ以上見つからなかった。


さらに流し見ていくととある記事が目を引いた。

ルポルタージュを載せたサイトだった。こういうサイトにかぎって何故読みづらい構成なのだろうか。

東日本ビル火災事故裁判で裁かれなかった影のオーナーがいるという趣旨の記事だった。立川総一郎なる人物が影のオーナーだというのだ。

まあこういう記事はより刺激的な事を書いた方が感心を引くしなぁ。


「裁かれない影のオーナー……立川総一郎、ねぇ」

「美樹さん。ちょっと気になったんですけど」

「なに?」


璃瑠に制服の袖を引っ張られて部屋から出た。隣の部屋に連れ込まれる。ベッドルームらしい。


「なにさ?」

「そこの電気スタンドと小物いれが倒れてるのは何でですかね」

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