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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【8章・正義は遺した】
146/282

【8ー2】

【8ー2】


立川の部屋に入る。

花瓶が床に落ちて割れてこぼした水は昨日より減っていた。日当たりが良いので蒸発したのだろうか。蛍光灯をつけなくとも部屋は明るかった。


「日当たりいいな。床の水が、結構乾いてる」

「美樹さんも蒸発すればいいのに」

「雨となってお前に降り注いでやる」


キャスターのついた台は斜めに傾きそこからテレビが倒れたのだろう。部屋にはクローゼットの類いは無かった。それ用の部屋があるらしい。

テレビに水槽にデスクによく分からないオブジェ類。それと六課が持っていったPC。改めて部屋を見てみるとシンプルだと思った、部屋が荒れているからそんな感想はなかなか出なかった。


「にしても、このオブジェはなんなんだ」


どれもが金属製の不可思議な形をしている。

璃瑠が床に落ちたオブジェの数を数えながら言う。


「井草って人の作品らしいですよ。気鋭の若手芸術家だとか」

「きえー。随分と豊富なコレクションだな」

「美樹さんは、芸術に興味ないんですか?」

「鏡を見たら芸術品が見れるからな」

「キュビズム的ですよ」

「褒めてないだろ」

「庭にも落ちていたそうです、そのオブジェ」


となると、璃瑠の言うとおりオブジェを護身の為に投げて窓ガラスを割ったという事か。

コントロールが悪かったか梨花が瞬間移動で避けたのか。


「ただオブジェに指紋は無かったので、もしかしたら高田梨花が投げたのかもしれませんが」

「指紋が無かった?」


立川は手袋の類いをしてなかった。梨花が犯行に及ぶにあたって手袋をしていたのなら指紋が出ないのも分かるのだが何故、梨花が投げるのだ。どれだけ苦戦したのだよ。


床のフローリングについてる傷はオブジェを投げた際についたものだろうか。随分と投げたな。

床の傷を探してみると、ふと天井が気になった。天井にへこみ傷がある。確かあの辺りにシミがあった筈なのだがやはり見間違いだったか。


「妙なオブジェに熱帯魚と、多趣味だな」

「上井博彦とは熱帯魚仲間なんでしたっけ」


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