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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【8章・正義は遺した】
145/282

【8ー1】


【8ー1】


「おはようございます、美樹さん。どこいってたんですか」


立川裕子の自宅に来てみると璃瑠が既にいた。板チョコを咥えたまま立川のPCを抱えている。


「梨花に面会してきた。そのPCどうするんだ?」

「朝からですか。六課で押収するので運ぶの手伝ってるんです」

「朝から私に会えるなんて清々しい一日になれそうじゃんか。PCだけ?」

「私だったら寝直しますね、気分悪くて。証拠になりそうなのがPCだけなんです」


PCを段ボールに詰め込んで他の課員に手渡すと璃瑠が私に向き直る。板チョコが咥えた端から少し溶けていた。


「どうでした?」

「瞬間移動に関しては否定しなかった。あと、素手だと成人女性に勝てるか分らないって」

「そうですか。ああ、それと課長から伝言が」

「なんじゃらほい」

「あの顔ニュースで見たんだよ、確か。だそうです」

「どの顔だよ」


課長とそんな話をしたっけかなぁ。

ふと思い出した。八坂に、上井の写真を送った際に課長が何処かで顔を見たと言っていたが、その話だろうか。

ニュースで見たとなると、なんだろうか。


上井博彦は立川と大学のサークル仲間と言っていた。

それ以外の個人情報は持ち合わせていない。事件当日に立川を訪ねた理由も聞いていなかった。何にせよ事件に巻き込まれたのは彼としては災難に違いない。


梨花が立川の家にいた理由はなんだ。まず、殺害に至った動機はなんだ。

立川が革新派のこよりを援助しているから、といった理由はいまいち釈然としない。殺害にまで至るにしては理由としては弱過ぎる。

第一、梨花は何故あのタイミングで殺害に至ったか、だ。もし仮に梨花が犯人だとして立川殺害を目的として近付いたとして、あのタイミングを選ぶ理由がない。

確かに私も上井も玄関にいて、立川は部屋に一人だったのは好機かもしれない。


だが、梨花は立川の親戚という名目で(それが真実なのか嘘なのかは別として)立川の家に居る事が可能であった、現にいた。ならば、あの機会は本当に梨花にとって選択に値する機会だろうか。


あの機会でなければならない理由がある筈だ。

私が来たから急かされた?

可能性としてはあり得る。

だが、一つの疑問点が浮上する。

瞬間移動を持っている梨花がなぜ、あの家に留まり捕まったのだ。

殺害後に逃げればいい。もともとテロリストとしての余罪が幾つもある。


瞬間移動を知られていないという自信があったからだとしても、留まり続ける意味はあるのだろうか。


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