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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【8章・正義は遺した】
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【8章・正義は遺した】

【8章・正義は遺した】


SFにカテゴライズされる作品には瞬間移動はさも当たり前のように登場している事が多い。離れた場所へ一瞬の内に移動するその能力は多くの人間の憧れとして存在していた。

おそらく解明されれば社会構造は新たな進化の日を迎えるだろう。


「ただ厄介極まりないな」


突然現れて突然消える。使ってみたいが使われたくないものである。

面談として顔を合わせてみると、高田梨花は少しばかりやつれているように見えた。

昨日は捜査を切り上げて、今日は朝から梨花の面会を取り付けたのだった。

政府病院のベッドの上にベルトで固定されているというのは精神的にもキツそうだ。

はめ殺しの窓にはきっちりとカーテンが閉められベッドの周囲は柵で囲まれており病室なのか牢屋なのか分からなくなりそうだった。


柵越しに私は梨花に声をかける。


「よう」

「こんにちは」

「面会時間は20分だから手短にいくぜ」


守衛の目があるのは気になるが別に問題を起こすわけでもない。


「立川裕子殺害については否認しているな?」

「やってないもの」

「これを否認してもテロ絡みでどうせ求刑は間逃れないぞ」

「やってないことまで責められたらたまんないから」

「これは正式な取り調べじゃないから嫌なら何にも答えなくていい。ただ真相究明に協力してくれる気があるなら答えて欲しい」

「美樹ちゃんのいう真相ってのは、あたしが犯人なの?」

「いや、6対4くらいでお前が犯人じゃないと思ってるよ」

「分のいい賭けだね、じゃあ」

「お前、武器なしでどれくらい動ける? 普通の成人女性相手に素手で挑んだら何なく勝てるか?」

「魔法は?」

「ありだとしたら」

「何なく」

「なしだとしたら?」

「厳しい」


立川裕子の死因は紐状の物による絞殺だ。武器か何かを使ったとは思えない。

もし仮に璃瑠の言うとおり梨花が犯人だとしたら素手の状態では大きく争う可能性はあるということになる。

だが、梨花は魔法使いだ。何かしらの戦闘能力はある。

だから梨花が犯人なら何故、魔法を使わなかったか、が問題となる。


「立川裕子との関係は?」

「ノーコメント」

「あの家にいた理由は?」

「ノーコメント」


そこはこっちで調べるか。


「お前の5ナンバーが瞬間移動のようなものだという指摘は否定する?」

「否定しないかな」


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