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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【7章・女帝は残された】
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【7ー7】

【7ー7】


「あたしなんか、死んでもいいんだよ」


梨花は暗い声を出した。自虐でも戯けでも落胆でもなく、ただ真実として捉えているかの様に。

何の色も迷いもない。


「何を……言ってるんだよ」


何を悟ったようなことを言っている。


「死んでも良いなんて気楽に言うなよ」

「美樹ちゃんは刑事なんだよね?」

「み、美樹ちゃん……」

「公安部って普通はなれないよね。頭も運動神経も良くないとなれないんでしょ。すごい才能があるんでしょ? この前の時だって魔法を使うのも上手だったよね」


いや、私は刑事じゃないしなぁ。刑事だけど。嘱託でもいいのか。

あれ、でも嘱託ってヘッドハンティングってやつなわけだ。試験受けてなるより凄いよね、君には才能があるー。って感じで。

でも公安部って基本、引き抜きじゃん。あれ? 引き抜きなのか?

あー、でも私は外部から引き抜かれたわけだからもっと凄いのか?


「私はすっげぇっ!」

「じゃあ、あたしと違うよね」

「?」

「あたしは、頭も悪いし運動も出来ないし才能もなくって自分の事がずっと嫌いだった。でも、あたし魔法の凄い才能があるって言われて、今までの嫌いだった自分から新しい自分になれたの。魔法があればあたしは強くなれる。誰かに頼られる自分になれる」

「それは間違いだ」

「魔法がないあたしなんて、嫌いだった自分に戻っちゃう。そんなの嫌だもん。そんな自分に戻るなら死んだっていい」


そんな理由で魔法使いになったのか。

そんな理由で命を魔法と交換することが出来るのか。


私達魔法使いはおとぎ話のように綺麗な存在じゃない。魔力は有毒で身体を蝕む。そのリスクを背負ってまで叶えたい願望なのか。


「そんな理由でテロを起こすのか!?」

「魔法じゃなきゃ、あたしは認めてもらえない……認めてもらえないんだよ」

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