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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【7章・女帝は残された】
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【7ー2】

【7ー2】


『そうですね。進展がありしだい連絡してください』


私は電話を切って長い息を吐き出す。

璃瑠の事、聞けなかったな。

病室での一件でどうも気まずく璃瑠と顔を合わせずにいた。今回の仕事も私とバックアップの八坂だけであるし。明日にはもう一人六課の誰かが来るはずだった。


璃瑠と組まない仕事なんて初めてだ。

考えてみれば六課に来てからずっと璃瑠と組んでいたのだから。


大丈夫だ、璃瑠が居なくても私はちゃんとやれる。

そりゃ、用心棒みたいなとこもあったから居ないと居ないで不安にはなるけれど。けれど、璃瑠に頼ってちゃ駄目だ。こよりを私一人で止めようとしてるんだから、これくらいのこと。

だけど、この何かが欠落したようなこの気持ちは何だろうか。


「伏見さん、でしたっけ?」

「え? ああ、はい」


いつのまにか立川が後ろに立っていて私は素っ頓狂な声を上げてしまう。


「家の中はもう、よろしいのかしら?」

「ええ、ありがとうございました」


立川が首から何か提げているのに気付いた。白いポーチのようなものに紐がついている。


「あぁ、これですか?」


立川がポーチを振ってみせた。口を開いて中を私に見せる。ペンの様な物が見えた。


「ペン……じゃなくて注射器ですか? 糖尿病でしょうか?」

「えぇ、そうなんです。毎日4時にと、決まっているんですけれど忙しいと忘れかねないので首からこんな風にして提げているんです」


インシュリン自己注射か。経口タイプで全て済むように後数年でなるとの話も聞いた気がする。


「それで、先程、お伝えするのを忘れていたんですけれども後で一人お客様がいらっしゃるのですが」

「仕事の関係でしょうか。不安でしたらこちらで手を打ちますが」

「いえ、古い知り合いですから。一応、話して置いた方が良いかと思いまして」

「ありがとうございます。何かありましたら遠慮なく言ってください」

「はい。私は基本部屋におりますので」


その知り合いがこよりとかなら仕事終わりなんだけど。


にしても、立川はこよりを支援していたということは革新派なのか。


革新派は元々、ヒトの遺伝子操作の合法化を求めた

集団である。

現在、ヒトのDNAへの介入は遺伝子治療のみ許可されており実質的に産まれる前の段階では不可能である。

これに対し、「遺伝子治療を行い産まれる前に人間としてよりよい方向へと舵取りをする」事を理想としヒトのDNAへ介入すべきと主張していたグループの一部が法に触れる実験などで摘発を受け武力闘争化した。

この様に人間の種としての進化を主張しており、武装化しているグループを特に革新派と呼んでいる。


魔法の存在はテロの急増を促した。理由の一つは魔法が武力として手軽な存在であること。人間の身一つで莫大なエネルギーを生む魔法は従来の実弾兵器を遥かに凌駕し(一概に比較出来るものではないとはいえ)、銃刀法の施工されている現代日本において魔法使いであるのなら最も手軽に手に入る兵器である。

能力さえあればいいのだから。


現時点において魔法の存在は政府見解で肯定してる国は主要国の中にはなく秘匿扱いであり、日本も例外ではないが、漏洩とネットにより着実に魔法利用は増加している。


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