【7章・女帝は残された】
【7章・女帝は残された】
立川裕子の自宅は一言で言うならデカイ。私としては見るだけで蕁麻疹が出そうなのだが、貧乏性だから。
綺麗に刈り込まれた庭木が庭を囲い、石畳から足を踏み出せば一面のガーデニングに圧倒される。新築の洋風の家屋は外から見ていて部屋数に検討がつかなかった。
公安六課にリークがあり、国会議員の立川裕子が鷺ノ宮こよりに資金援助しているという情報が入った。支援期間、金額、鷺ノ宮こよりの情報も共に添えられていた為、情報の出処に不安は残るが六課は立川裕子の調査を決めたのだった。
鷺ノ宮こよりが絡んでいることで、私に白羽の矢が立った。反対の声も上がったが課長は押し切ったのだった。
感謝感激雨なんとかである。
「お休みのところを申し訳ありません。公安六課より派遣されてきました伏見美樹です」
「立川裕子と申します」
「しばらくの間ですが、あなたの身辺警護を担当します」
「そこまでの心配もいらないと思いますが」
「まあ、念の為ということで。岩崎を逮捕するまでしばらく詰めることになると思います」
実際は岩崎という男は存在しない。あくまで口実だ。岩崎という男が立川を狙っているので公安が身辺警護を行うという理由で私が立川に近付き、六課の別の課員と協力して探ることになっていた。
時間をあまりかけたくないということか。
「移動はこちらが車両を用意します。買い物などの雑用もこちらで。仕事の際も私が随伴します。窮屈かと思いますが」
「いえよろしくお願いします」
スケジュールの打ち合わせをしていると、リビングのドアが開いた。中学生くらいの女の子が入ってきた。
茶色の髪をリボンでツインテールにしている。つぶらな瞳は大きく年相応の子供ぽさがあった。
セーラー服はおろしたてのようにシワ一つない。
なんか、どっかで見た気がするのだが。
「親戚の子を預かっているんです」
「こんにちは」
「こんにちはー」
中学生の子を預かっているのはどういった理由なのだろうか。どうでもいいか。
「梨花です」
「ご丁寧にどうも。伏見美樹です」