【6ー13】
【6ー13】
ヒステリーを起こした沙織が疲れて寝たのをカメラで確認して、こよりとおネェは一息ついた。おネェがコーヒーを淹れたのでこよりは受け取る。
「そんなにミルク入れたらコーヒー牛乳になっちゃうじゃなぁい」
「あぁー、溢れたぁ! ちょー溢れたぁ!」
「ちょっとなにやってるのよぉ! 誰か布巾持ってきて!」
とりあえずこよりがティッシュで拭こうとするとおネェが止める。
「もったいないでしょぉ!?」
「だったら早く布巾持ってきてよ! 布巾!」
「布巾、どうぞ」
「ありがとう!」
服に付く前に溢したコーヒーをふき取ると、こよりは顔を引きつらせた。それを見て布巾を持ってきた沙織は首を傾げる。
「なんで、部屋から出れてるの? え、なんで?」
「もともと鍵かかってない」
「え?」
「沙織ちゃんの出入りは自由なのよぉ。あの部屋トイレもないしねぇ」
「なにそれ、いやほんと、なにそれ」
寝てたのじゃなかったのか。
「大丈夫よぉ。このフロアからは出られないしぃ、あの部屋に監禁しっぱなしじゃあ滅入るでしょぉ?」
聞けば部屋の出入りは自由。置いてあるお菓子も好きな時に食べられるし頼めば雑誌データも購入してもらえる。ネット閲覧も自由。そりゃ、生活の不満が出ないわ、とこよりは思った。
「いや、おネェに一任するとは言ったけどさぁ、随分フリーダムだね、フリーダム」
「定期的にデータさえとらせて貰えばこちらとしては問題ないのよぉ。沙織ちゃんの機嫌も良くなるしぃ」
「随分、落ち着いたみたいだね、うん落ち着いた」
「考えたら、わたし死なないんでしょ? 魔法も効かないし、データを取る為に生かすでしょ?」
この子は賢いな。こよりは感心する。
成績優秀で美人。美樹ちゃんでないと敵わないな、なんて考えていた。
「だからわたしが一日でも早く帰れるよう協力する」
「いいね! ならこっちも頑張っちゃうね、
ね、おネェ」
「もともと沙織ちゃんは協力的だったわよぉ。あ、コーヒー飲むぅ?」
「ミルクと砂糖多めで」