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あさきゆめみしきみへ  作者: 茶竹抹茶竹
【6章・月は繋げた】
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【6ー8】

【6ー8】


私は家に着くと制服を脱いで洗濯乾燥機に投げ入れた。コンビニで買ってきたカップ麺にポットでお湯を注ぐ。

空気が淀んでいる気がしたので窓を開けた。少し肌寒い風が入り込んでくる。冬も近くなってきたという事だろうか。


1LDKの部屋には最低限の家具しか置いてなかった。

陸自は寮生活であったし、公安部に来てからは色々と大変で部屋に物が増える暇もなかった。

服もたいてい制服だし。

タイマーが一分を報せたので私はいそいそとカップ麺を取りにいく。

料理しなくても良いという現代文明の進化に感謝の気持ちを示してから蕎麦をすする。

私は甘かった。カップ麺のきつねそばの油揚げより甘かった。ていうか、これ甘!?


こよりに会えば、言葉をかければ止められると思ってた。だけど、それは無理だった。

私の言葉は無力なのだろうか。


部屋で一人愚痴る。

撃てるのか、私に。こよりが。

まず勝てるのか。

璃瑠のスピードに対抗出来る程の機動性。射撃も正確で、近距離においても防御面の不安もない。距離を選ばず、多方向から生成することで立体的に狙えるリアクトチェーンもある。


私は近中距離を得意とする射撃特化型。

単純に撃ち合いになった場合リアクトチェーンの多方向からの攻撃がある分こよりの方が有利になる。私の機動性は高いとは言えないから、こよりに追い付くのも難しい。

なおかつ、こよりを気絶か昏倒させる為に非殺傷性のスタンショットで倒さなくてはならない。威力も性能も不安が残るスタンショットで渡り合う自信は無い。


「きっついなぁ……」


私はまだこよりのことが好きなのに。


だけどこよりは私の言葉を聞こうとしない。


蕎麦の汁を飲み干しても良い考えが思いつかなかった。少し肌寒くなってきたので窓を閉めようとすると、夜空の月が煌々としていて私はしばらく惚けて見ていた。月の明るさに目が慣れてくると細かい星が微かに光っているのが見えた。


「月は良いなぁ、悩みがなさそうで」


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