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清楚系生徒会長の秘密の講師になりました。~ミステリーを楽しむためのラブコメ小説~  作者: 夜野舞斗
1時限目 ミステリーのジャンルを知っていこう!

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Ep.2 ミステリーって難しいんですか?

 内緒の秘密の夜の講師。

 その言葉は僕にとって、あまりにもいかがわしい意味を持つものだった。だから一気に頭の中が沸騰しそうになる。

 様子を見た彼女が持ち出してきたのは「食堂から持ってきたわよ」という氷の詰まった袋だった。

 ぶるんぶるんと振り回している。


「だ、大丈夫? 受けてくれる?」

「それ、断ったらその氷でぶち抜かれるのかな?」

「そ、そんなことするはずないでしょ! ただ、ただ、熱を出しちゃったから冷やしてあげようと」

「あ、ありがとう。ありがたい申し出ではあるけども……」

「えっ?」


 彼女は更に勢いよく氷を回し始めた。ミステリーのことはよく知らないのに、犯罪に関しては詳しいのはおかしいと思う。

 まぁ、ただの冗談だったのだが。彼女の怒りのボルテージが上がらないうちに口にする。


「受けさせてもらうよ」

「良かった! ありがとう!」


 彼女が離した氷が近くのテーブルの端をぶち抜いて、壊していった。今の破壊行為、見なかったことにするべきか。


「……これ、ミステリーになる流れだなぁ」

「……ん?」

「いや、机の欠けたところ……化け物でも暴れたんじゃないかってミステリーになるなぁ、と」

「でも犯人なんて分からないでしょ。みんな探偵な訳じゃないし……まさか、こんなところで私と君が逢瀬をしているなんて、誰も……」


 彼女は優雅にそう呟くものの。その「まさか執筆の趣味がバレる訳がない」がバレたことで先程まで狼狽していたような。

 ツッコミどころはあるもの放置しておいた。


「意外とみんなミステリーに慣れてるからなぁ。意外と犯人すぐに見つかるかもよ」

「そ、そうなの? ミステリーなんて難しくて、あんま読む人が少ないってイメージだけど」

「でもミステリーって結構読まれてるぞ? 『この家、変なんです』で有名なミステリーは小説でも250万部市場に出てるんだ……」

「『この家、窓なぁああああああい!』の奴ね」

「違うような気がするんだけど……まぁ、いいや。認知度も高いし、そもそも夜だってミステリーアニメが途切れず続いてるんだ」

「確かに名探偵のものが続いてるんだ……ってミステリーが長年愛されてきた証拠ね……で、でも、やっぱ難しくてとっつきにくいってイメージがあるのよね」


 確かに、面白いが読むのに知識は必要。特に専門知識が多い話などはよく難解になって、読むのを途中でやめてしまうなんて話も聞く。

 ただ、それの対策はある。


「ミステリーにも色々ジャンルがあるからね。軽い感じで読めるミステリーもあるっていうか、そういうジャンルのものには他のジャンルがくっついていることが多いかな?」

「他のジャンル? そのアニメもくっついてるの?」

「うん。よく夜にやってるアニメは恋愛やラブコメが一緒になってることが多い。そしてミステリーよりもキャラの言動や恋愛もの、ミステリーよりもそっちを楽しむこともできるんだよね」

「なるほど。確かにそういうミステリーの推しキャラは……って言うのをネットで聞くことがあるわね」


 後は、だ。


「まぁ、青春ミステリーとか、学園ミステリーとかそういうのを銘打っているものを楽しむのもいいと思う。だって、ね。主人公や関係者は学生、つまるところ犯罪は素人だってことが多い」


 彼女は少し気まずそうにチラッと破壊したところを見てから。


「ま、まぁ、つまり学生っていうのは、そんなたいそうな殺しのトリックとか、そういうのをやらないからトリックとしては分かりやすいものが多いってこと?」

「謎を解くのが分かりやすいっていう訳ではないんだけどね。でも謎の答えが、あっ、こういう風に解釈すれば良かったんだっていうのが大きい印象だね」

「なるほど。その間にキャラや青春のストーリー、ヒューマンドラマを楽しむのがありってことなのね」


 その上で、だ。

 彼女が生徒会室の棚にある大量の本を眺めていた。どれを読もうか、悩んでいるのだろう。一冊取った途端、一回ドサッと本が大量に飛び出してきたから、顔面に本が当たるのも構わずに前に出た。

 激突した鼻を抑えながら、説明をする。


「ちなみにミステリーの入口は別に小説だけじゃない。小説が苦手って場合な人もいるとは思う。というか、どうしても時間が掛かるジャンルではあるからね」

「だいたい漫画が一冊、二十分てなると小説は二、三時間位かしら」

「実際は人によりけりなんだけどね。でもそういう際はアニメやゲームから初めてもいいかもしれない。何せ、そこで知ってくれてから小説も面白いってハマってくれることもあるから。小説って読める人はいるけど、読むまでの時間に『時間がないから』とかでううむってなる人はいるからね……」

「ああ……なるほど。だから、こんなに前生徒会長の積読が……」

「これ、全部積読なの!?」


 棚に戻していた本を見ながら、絶叫してしまった。大量の本。高校生が幾ら小遣いをはたけば、ここまで本が買えるのか。

 というか、それを生徒会室に置いていくとは一体どんな考えの持ち主なのか。


「かくいう私のうちにも積読が……読もうと思ってるのに、ね……」

「まぁ、もし面白そうなのあったら、貸してよ」

「了解ってか、明日一緒に推理ゲームやりましょうよ。今やスマホでできる時代だし!」

「……生徒会長がいいの?」

「生徒会長権限です」


 ずる過ぎるだろう。

 そんな僕のツッコミも勝手にスルーされて。

 彼女との秘密の日常が始まっていく。これのミステリー講座が僕の人生に大きく影響を与えていく、なんて想像する由すらなかった。

 まさか、まさか、だ。


「そう言えば、風村さん。あの机の問題はどうなったの?」

「ああ? あれ? 犬が乱入してきて、壊していったと言ったら、みんな納得してくれたわ」

「生徒会どうなってんだよ!? 犯人の言葉をすんなり信じるなよっ!」

「ふふん、どうやら犯人の才能があったようね。ミステリーが難しいなんて言ってる場合じゃないわよ! 早速トリックとか調べてみようかしら!」

「な、何か危ないなぁ……!」


 眼鏡が光って、酷く怪しく思えてしまう。いつ口から涎が出て、その白く膨らんだ胸元にポツリと落ちてもおかしくない位の精神状態だ。

 生徒会長がどうやら殺人事件のミステリーを書こうとしているらしいが。これを秘密にしてよいものか。

 えっ、これが夜の危険な密会ってこと? 思ってたのと違う! って、僕は何を期待してたんだ!?

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