錬金街での出会い
新たな旅の仲間とカルディアの冒険
ティア、ライア、ベロニカ、ガイゼルの四人は、港町マリナスから次の冒険の地、錬金術の都カルディアへと向かっていた。潮の冠を手に入れ、ティアの冒険者としての自信も少しずつ芽生えつつあったが、ライアの過保護な心は相変わらず全開だった。聖剣エクスカリバーを握り、チート級の感知能力で周囲を常に監視しながら、ティアの無邪気な笑顔を守ることに全力を注いでいた。
「パパ! カルディアってどんなとこ? キラキラした街かな?」ティアは馬車の荷台で揺られながら、目を輝かせて尋ねた。彼女の腕には星の腕輪が光り、潮の冠は大事そうにリュックにしまわれていた。
ライアは馬車を操りながら笑顔で答えた。「ハハッ、ティア、カルディアは錬金術の聖地だ。変な薬作ったり、爆発したり、変な奴らがうようよしてるぞ! でも、危ないことはパパが全部片付けるから安心しな!」彼の声には父親の愛と、過剰なまでの保護欲が込められていた。
ベロニカは馬車の後ろで魔法の書を読みながら、「ライア、ティアを甘やかしすぎよ。カルディアは確かに錬金術で有名だけど、魔獣素材や呪いの研究も盛んだから、変なトラブルに巻き込まれないようにね」と釘を刺した。彼女の杖は微かに光り、いつでも魔法を放てる準備ができていた。
ガイゼルは馬車の横を歩きながら、「ふん、ライア、俺の新作召喚獣をカルディアで試すチャンスだな。錬金術の素材で強化したヤツを見せてやるぜ!」と意気込んだ。彼の魔法の鞄からは、時折怪しげな光が漏れていた。レッドドラゴンの後始末で受けた屈辱を、ライアに倍返しするつもりだった。
「ガイゼル、お前の召喚獣はいつも派手だな! でも、ティアの安全が第一だ。変なのは全部俺がぶっ潰す!」ライアは聖剣を軽く振って笑った。ティアは「パパもガイゼルおじさんも、いつも張り合ってるね! でも、楽しそう!」と無邪気に笑い、馬車の中で剣を手にくるくる回した。
カルディア到着とキサラとの出会い
数日後、一行はカルディアの門前に到着した。石造りの街は、錬金術の工房から立ち上る煙と、色とりどりの魔力の光で彩られていた。ティアは門をくぐるなり、「やっと着いたぁー‼︎ キラキラしてる! なんか美味しそうな匂いもするよ!」と大喜びで跳ね回った。ライアは「ティア、はしゃぐのはいいけど、変な薬の煙を吸わないように気をつけな!」と叫び、チート級の感知で周囲の魔力をスキャンした。
街中を歩いていると、ティアの目に奇妙な光景が飛び込んできた。尻尾に特大の絆創膏を貼られた赤いドラゴンが、空をゆっくり飛んでいたのだ。「あ! パパ、あのドラゴン、なんか痛そう! 誰かケガさせちゃったのかな?」ティアが不思議そうに言うと、ガイゼルが顔をしかめた。「…あれ、俺のレッドドラゴンだ。ライア、てめえのせいでこうなったんだぞ!」ライアは「ハハッ、悪かったな、ガイゼル! でも、ティアの腹を満たすためだ、許せ!」と笑い飛ばした。
その時、街の広場からすさまじい爆音が響いた。
バゴオォォォォォォォーーーーーーンッ‼︎
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼︎」
爆煙の中から、頭がチリチリになった男が転がってきた。ティアは心配そうに近づき、「あの、大丈夫ですか…?」と声をかけた。チリチリ頭の男は、苦しげに咳き込みながら、「この世で大丈夫って言う奴は大体大丈夫じゃない奴だよ、お嬢ちゃん…ゲフッ」と捨て台詞を残して気絶した。
「ははっ、失敗失敗、すまんねっ!」爆煙の中から、銀髪紅眼の少女がひょっこり顔を出した。彼女は軽やかな笑い声とともに自己紹介した。「おっと、自己紹介がまだだったね! うちは錬金ギルドのマスター、キサラ・アリゼリーク! キサラと呼んでおくれよー♪」
ティアは爆発の後片付けを手伝いながら、「あ、ティアですっ! はじめましてっ!」と元気に挨拶した。ライアは木の陰からこっそり見守り、「ティア、知らない奴に気軽に話しかけるなよ…でも、楽しそうで何よりだ」と呟いた。ベロニカは「ライア、ティアがまた無防備よ。キサラって子、怪しい雰囲気あるわ」と警戒したが、ガイゼルは「ふん、錬金術師か。俺の召喚獣の素材にいいのがありそうだな」と興味津々だった。
キサラはティアに笑顔で話し始めた。「いやぁ、昔に少女化の呪いをかけられてね、それを解くために錬金術で実験してるんだけど、うまくいかなくてさ!」その時、気絶から目覚めたチリチリ頭が一言。「キサラさんはそのままのが需要あるんすよ。」
「おだまり!」キサラの拳がチリチリ頭に炸裂し、頭にたんこぶを追加して再び気絶させた。ティアは「わっ、キサラさん、強い!」と目を輝かせ、ライアは「ティア、変な奴に影響されないでくれ…」と内心で冷や汗をかいた。
キサラは座り込み、しょんぼりと呟いた。「うむむぅ、この素材じゃ呪いを解く錬成は厳しいかぁ…。」その姿を見たティアは、元気づけるようにそっと声をかけた。「あの、素材集めお手伝いましょうか?」
キサラはパッと振り返り、目をキラキラさせて「本当!? 嬉しいよーっ♪」と飛びついた。ライアは「ティア、すぐ人を信じるな! …でも、まぁ、楽しそうだからいいか」と過保護心を抑え、ベロニカに「多重防護魔法を張っておいて正解だったな」と囁いた。ベロニカは「ライア、ティアが成長するには自分で失敗も必要よ」と呆れたが、ティアの笑顔を見ると反対しきれなかった。
カルディアの森での素材集め
こうして、一行はキサラの案内でカルディアの森へ錬金素材を集めに出かけた。キサラはティアに素材の説明をしながら、目を輝かせて教えた。「これはニトロクリスタル! 効果を爆発的に底上げするけど、大量に集めると熱を持って爆発するから注意ね!」
ティアは小さなノートに「めもめも_φ(・_・ ニトロクリスタル、爆発注意!」と書き込んだ。ライアは木の陰から見守り、「ティア、爆発物なんて触るなよ! パパが代わりに集める!」と飛び出そうとしたが、ベロニカに「ライア、ティアに経験を積ませなさい」と止められた。
キサラは次に、「これはアンチ鳥! 不快な声で鳴くから、口を縛って羽根を全部むしって素材にしよう!」と笑顔で言った。ティアは「え、かわいそう…でも、素材なら仕方ないよね?」と少し戸惑いつつ、アンチ鳥の羽を丁寧に集めた。ガイゼルは「ふん、この羽、俺の召喚獣の強化に使えるな」と興味を示し、ライアは「ティア、鳥に噛まれないように気をつけろよ!」と過保護全開で叫んだ。
さらにキサラは、「草は多く集めると大草原になるから少数でおk!」と笑いながら説明。ティアは「わらわら! 草、面白ーい!」と楽しそうにメモを取った。ライアは「草で大草原って…ティアが埋もれたらどうするんだ!」と心配し、ベロニカは「ライア、草にそんな危険はないわよ」と呆れた。
最後にキサラが「火トカゲの尻尾! これはマサラタウンで博士から貰えるよ!」と言い、ティアは「マサラタウン? どこかな? でも、火トカゲ、かっこいい!」と目を輝かせた。ライアは「火トカゲの尻尾なら、パパが一瞬で捕まえてやる!」と聖剣を構えたが、ガイゼルが「ライア、てめえ、また無茶する気か! 俺の召喚獣で捕まえるぜ!」と張り合った。
森での素材集めは、ティアの無邪気さとキサラの軽快な指導で順調に進んだ。ライアはティアの後を追い、魔獣が出るたびに聖剣で一撃で片付け、ベロニカは「ライア、ティアに戦わせなさい!」と何度も注意した。ガイゼルは新作召喚獣「フレイムサラマンダー」を試し、火トカゲを一網打尽にしたが、ライアに「派手だけど、俺の聖剣の方が早いな!」と笑われ、ムキになっていた。
錬成の大爆発
素材集めを終え、一行はキサラの工房に戻った。工房は錬金釜や怪しげな瓶が並び、壁には呪文の書かれた羊皮紙が貼られていた。キサラは「さあ、ティア、集めた素材で呪いを解く錬成を始めるよ!」と目を輝かせ、釜に素材を投入し始めた。
ニトロクリスタル、アンチ鳥の羽、草、火トカゲの尻尾…素材を入れるごとに、釜の液体はうす暗い緑色から鮮やかな紅色に変わり、魔力の光を放ち始めた。ティアは「わあ、キラキラ! キサラさん、すごい!」と拍手し、ライアは「ティア、釜に近づきすぎるな! 爆発したらどうする!」と過保護に叫んだ。ベロニカは「ライア、ティアには防護魔法を張ってるわ。少しは落ち着きなさい」とため息をつき、ガイゼルは「ふん、錬金術か。俺の召喚術の方が派手だぜ」と呟いた。
キサラが最後の素材を投入すると、釜からまばゆい光が放たれた。「よし、完成だ!」とキサラが叫んだ瞬間――
バゴオォォォォォォォーーーーーーンッ‼︎
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ‼︎」
すさまじい爆音とともに、チリチリ頭が再び転がってきた。キサラは彼を盾にして爆風を防ぎ、「あれれー、おっかしいなぁー?」と他人事のように呟いた。チリチリ頭は「盾代わりにすなっ!」と叫び、ティアは「デジャヴかな?」と首をかしげた。
爆煙が晴れると、工房は半壊状態。キサラは悟ったような顔で、「やはり、錬金素材を集める旅をしないと呪いを解くのは難しそうね」と呟いた。ティアは「でも、楽しかったですね♪」と笑顔で答え、キサラも「あっはっは♪ ティアは面白いね! 錬金素材も必要だし、うちも一緒に旅に行くわ‼︎」と宣言。チリチリ頭は「…俺も行くぞ。キサラさんの実験台、嫌だけどな」と気絶から復活し、渋々同意した。
ライアは木の陰から出てきて、「ティア、新たな仲間か! でも、変な奴に気をつけなよ。パパが守るからな!」と過保護全開。ベロニカは「ライア、ティアが楽しそうならいいじゃない。キサラ、チリチリ、変な奴だけど悪い奴らじゃなさそうよ」と微笑んだ。ガイゼルは「ふん、錬金術師か。俺の召喚獣とどっちが強いか試してみたいぜ」とニヤリと笑った。
呪いの森と禁断の素材
キサラの呪いを解くためには、カルディアの森の奥深く、「呪いの森」に眠る伝説の素材「ムーンブライトの花」が必要だと判明した。この花は満月の夜にのみ咲き、強力な魔獣「シャドウビースト」が守っているという。ティアは「ムーンブライトの花! 絶対キラキラしてるよね! 私、絶対手に入れる!」と目を輝かせ、ライアは「ティア、危ない森だぞ。パパが全部片付けるからな!」と聖剣を握った。
一行はキサラとチリチリ頭(本名:ザック)を加え、呪いの森へ向かった。森は昼間でも薄暗く、霧が立ち込め、魔獣の気配が濃厚だった。ライアのチート級の感知能力がフル稼働し、ティアの周囲に多重防護魔法を張った。ベロニカは「ライア、ティアにも戦わせなさい。ムーンブライトの花は呪いの試練を乗り越えないと取れないわ」と警告。ガイゼルは「俺の新作召喚獣『ナイトストーカー』を試すいい機会だな!」と召喚陣を準備した。
キサラは「ムーンブライトの花は、呪いを解く最高の素材なの! でも、シャドウビーストは幻惑魔法を使うから、気をつけてね!」と説明。ザックは「キサラさんの実験で死にたくないんで、俺も戦うぜ」と錬金術の爆弾を手に持った。ティアは「みんなで一緒にキラキラの花、取りに行くよ!」と剣を構え、ライアは「ティア、絶対に傷つけるなよ!」と過保護に叫んだ。
シャドウビーストとの戦い
呪いの森の奥、満月の光が差し込む開けた場所に、ムーンブライトの花が輝いていた。その周囲を、漆黒の毛皮と赤い目を持つシャドウビーストが徘徊していた。ティアは「わあ、キラキラ! でも、あの魔獣、怖いね…」とライアの手を握った。ライアは「ティア、怖くてもパパがいる! こいつは一撃で仕留める!」と聖剣を抜いた。
シャドウビーストは咆哮を上げ、幻惑魔法で一行の視界を揺らした。ライアのチート級の感知能力で幻惑を無効化し、「ティア、ベロニカ、ガイゼル、キサラ、ザック、俺の後ろにいろ!」と叫んだ。ベロニカは「ライア、ティアにも戦わせなさい! 彼女の星の腕輪なら、幻惑に耐えられるわ!」と雷撃呪文を放ち、シャドウビーストの動きを封じた。
ガイゼルのナイトストーカーがシャドウビーストに突進し、鋭い爪で牽制。キサラはニトロクリスタルを使った爆弾を投げ、「これでドカーンと行くよ!」と叫んだが、爆発はシャドウビーストの毛皮を焦がす程度だった。ザックは「キサラさん、いつも爆発じゃん!」と叫びつつ、別の爆弾で援護。ティアは「私もやる!」と星の腕輪の力を引き出し、剣に光を宿らせてシャドウビーストの足を斬った。
「ティア、すげえ! でも、危ねえから下がれ!」ライアは娘の活躍に目を輝かせつつ、聖剣でシャドウビーストの核を一撃で貫いた。魔獣は悲鳴を上げ、消滅。ムーンブライトの花はティアの手で無事に摘み取られた。「やった! キサラさん、花ゲット!」とティアが笑うと、キサラは「ティア、最高! これで呪い、解けるかも!」と抱きついた。
呪いの解除と新たな絆
一行はカルディアに戻り、キサラの工房でムーンブライトの花を使った錬成を再開した。今回はライアが「ティア、釜に近づくなよ! 爆発したらパパが守る!」と過保護に監視し、ベロニカが防護結界を強化。ガイゼルは「俺の召喚獣で爆発を抑えるぜ!」とナイトストーカーを待機させ、ザックは「また俺が盾になるのはゴメンだぞ!」と逃げ腰だった。
キサラが慎重に素材を投入し、釜の液体が金色に輝いた。「今度こそ…!」と呟いた瞬間、釜から柔らかな光が放たれ、爆発は起こらなかった。キサラの体が光に包まれ、少女化の呪いがゆっくり解けていく。彼女は元の姿――銀髪紅眼のまま少し大人っぽい女性に戻った。「やった! 呪い、解けた! ティア、みんな、ありがとう!」と涙ながらに抱きついた。
ティアは「キサラさん、キラキラのままでもカッコいいよ!」と笑い、ライアは「ティア、よくやった! パパ、誇らしいぞ!」と娘を抱き上げた。ベロニカは「ライア、ティアが成長してるわ。少しは過保護を控えなさい」と微笑み、ガイゼルは「ふん、俺の召喚獣も活躍したぜ!」と胸を張った。ザックは「俺、生き残った…」と安堵の息をついた。
新たな冒険の地へ
キサラは「呪いは解けたけど、錬金術の研究はまだまだ続けるよ! ティア、ライア、みんな、一緒に次の冒険に行こう!」と提案。ティアは「うん! 次はどんなキラキラ見つけられるかな?」と目を輝かせた。ライアは「ティア、どこへ行ってもパパが守る! でも、お前も強くなったな!」と笑顔で娘の頭を撫でた。
一行はカルディアを後にし、次の冒険の地「星屑の山脈」へ向かった。そこには、星の腕輪の力を最大限に引き出す「星核の結晶」が眠っているという。ティアの笑顔とライアの過保護な愛、ベロニカの冷静な魔法、ガイゼルの召喚術、キサラの錬金術、ザックの…まあ、頑張りがあれば、どんな試練も乗り越えられるだろう。
夕陽に輝くカルディアの街を見ながら、ティアは「パパ、キサラさん、みんな、最高の仲間だね!」と叫んだ。ライアは「ティア、お前が一番尊い! パパの冒険は、お前を守るためだ!」と誓い、聖剣を空に掲げた。ベロニカは「この親子、ほんとそっくり…」と笑い、ガイゼルとキサラは「次こそは!」と意気込み、ザックは「俺、普通に生きたい…」と呟いた。
こうして、ティアたちの冒険は、新たな仲間と共に、さらなる輝きを求めて続いていくのであった。