第一話:かわいいあの子
「…ん?どこだここ」
気がつくと周りは木々で覆われている。
どうやら森の中で気を失ってしまったみたいだ。
「あれ、たしか俺は…モンスターと戦ってて……思い出せない…」
自分のすぐそばには1本の剣がある。
モンスターと戦っていたのは確かだが、そんなに強力なモンスターだったのだろうか。
血痕もそこら中についている。
「いてて、とりあえず家に帰って治療するか」
俺の名前は七瀬 彰、高校二年生のおれはいつものように学校に登校し、部活が終わったあと家に帰って休んでいた、そしたら疲れのせいか突然睡魔が襲ってきて、気がついたら異世界転生をしていた。
はじめはこの世界での生活に慣れず、大変だったが今はそれも落ち着いてきて、1年も経たないうちに剣士という職業になることが出来た。
「今日も疲れたなぁ……あ!今日のモンスター討伐の依頼報酬もらってない!はぁ…明日は街に行くかぁ」
この世界には、人間を敵視して襲ってくる獣のような姿をした"モンスター"が存在している。
この世界にある職業はモンスターを討伐するものが多く、俺のような剣士や魔術師、武闘家など様々だ。
「もう遅い時間だし、寝るか」
-翌朝-
今日は、昨日モンスター討伐の依頼報酬を受け取りを忘れてしまったため、街に行って受け取りをする。
「んー…そんなに強いモンスターだったのか?俺がこの依頼をうけるときは、雑魚しかいないって聞いたはずなんだけどな」
そして街に着いた、この"エーテル街"は"ミドル王国"の中心街で最も栄えている町である。
「"モンスター討伐依頼受付所"、ここだな」
受付所に入って、受付嬢に依頼の報酬受け取りをする。
「すみません、昨日モンスター討伐依頼をうけた七瀬(七瀬)というものなんですけど」
「はい、七瀬 彰様ですね」
(前から思ってたんだけど…やっぱりこの受付の子めちゃくちゃかわいい顔してるな、愛想いいし最強じゃん)
「それでは、こちらが報酬になります」
「ありがとうございます……え?」
「どうしました?」
「え、ちょっと報酬少なくないですか?」
「いえ、これで間違いは無いはずです」
「いやいや!記憶が飛ぶほど気絶をする強いモンスターと戦って1000G!?」
「…?おかしいですね、そんなはずは…七瀬様が討伐されたモンスターは低レベルのモンスターのはずですが…」
(低レベルのモンスター!?俺は低レベルのモンスターにボコボコにされたのか?いや…)
「申し訳ないですが、今回は1000Gの依頼で間違いは無いので、このままお引き取りください」
「は、はい」
(まぁ、あの子かわいいし今回の事には目を瞑ろう)