星空
白崎さんの車に乗り、移動すること1時間。
辺りが暗くなり始めた頃、到着したのは海沿いにあるホテルだった。かなりよいホテルのようで2部屋しか借りることができなかったらしい。2人部屋が2部屋、必然的に僕は平宮さんと一緒の部屋になった。
仕方のないことだが、平宮さんはかなり怒っているようで園崎さんに抗議に行ったきり返ってこない。
それほど、僕と一緒になることが嫌なのだろうか。
平宮さんの実家を出た時点ですでに7時過ぎ、今はもう8時半だ。もう、どこの飲食店も閉まっているだろう。
帰ってきた平宮さんに夕食はどうするか尋ねると、なぜか僕をにらみつけてくる。よほど虫の居所が悪いようだ。
近くにコンビニまで夕飯を買いに向かう。すでに日は沈み、当たりは星が瞬いている。ここはホテルとコンビニの光しかない分、僕の家から見るより星がよく見える。
コンビニでいつも買う卵サンドを買い、外で平宮さんを待ちながら空を眺める。
僕は星が好きだ。いつまでも変わらないその光が好きだ。小さい頃は、いつも星を眺めていた。いろいろな本を読み漁って、星座や惑星のことをいろいろと調べていた。漠然と大学で天文を学んだり、宇宙飛行士になったりするのかなと、そんな将来を夢見ていた。夢を見なくなったのはいつの頃だろうか。
いつの間にか店から出てきた平宮さんの後ろを、歩きながら星空を眺める。車も少なく安心して歩ける。
どういう風の吹き回しか、突然平宮さんが寄り道を提案してくる。僕らが今歩いている道から道路を跨いで続いている堤防で夕食を食べたいらしい。
道路を1つ挟んだだけだが、さっきよりもさらに星がよくみえて、小さい頃に詰め込んだ知識を思い出しながら星を眺める。
「もう、満足か。」
隣から聞こえる声が僕を現実に引き戻す。気付けば彼が隣から僕のことをじっと見ている。揶揄うように発せられた言葉に恥ずかしさが生まれる。
星が好きなことを隠しているわけではないが、こうして見られていると恥ずかしい。つい、荒っぽい口調になってしまう。それを怒っていると捉えたようで平宮さんは1人でホテルに帰ってしまった。
我に返り、自分が立ち上がっていることに気付く。さっきまで手に持っていた卵サンドは海に消えてししまったようだ。服に落ちていた卵を落として再度コンビニに向かい、今度はおにぎりを二つと卵サンドを買う。
堤防で急いでそれを食べてホテルに戻る。既に30分が経っており、平宮さんは眠ってしまっていた。
もう時間は10時近い。時間を意識した途端眠気が襲ってくる。寝ぼけた頭でシャワーを浴び、倒れるようにベットに入る。直ぐに意識が遠のき眠りについてしまった。




