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すれ違いだらけの僕の運命  作者: 甘衣 一語
旅行
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 この世界には男女の他に第二の性がある。発情期があり、男女共に妊娠が可能なω(オメガ)。身体能力や知能が優れたエリート階級のα(アルファ)。人口の9割を占めるβ(べーた)。

オメガの発情期は数ヶ月に一度、数日続き、アルファを惑わすフェロモンを体にまとう。発情期中にアルファがオメガの項を噛むと運命の番となり、番以外へのフェロモンの効果は無くなる。さらに、オメガは番以外に対して拒絶反応を示すようになる。番契約は一度しかできず、解約はできないため事故で番になることがないように、オメガの中には項を保護するチョーカーを着けている者もいる。

 そんな、生まれながらの運命が定められている。

 工場でのアルバイトを始めて数日。夏季休暇が始まり、毎日バイトを頑張っている。

 一昨日で平宮さんの教育実習期間は終わってしまった。本来、平宮さんの業務は僕とは別で、教育係を終えて一緒に業務をすることはなくなったが、シフトが同じで昼食や出勤ではよく顔を合わせる。仕事のことなどを気に掛けてくれ、時折一緒に昼食を食べることもある。


 そうこうしているうちに工場はお盆休み1週間前になった。元々、盆休みが10日間あると聞いて予定を考えているが、なかなか決まらない。同級生や友人は実家に帰省する人が多く、一緒に出かける相手がいないと旅行も楽しめないだろう。さすがにずっと家にいるのはつまらないのから、どこかに行きたい。

 いろいろと観光地を探していると、平宮さんからのメッセージが届く。平宮さんとはアルバイトの初日に業務連絡のためにMINEを交換している。今まで、工場のグループチャットで連絡が流れることはあったが、平宮さんから来るのは初めてだ。少し身構えながらメッセージを開く。


『やっほー、ケイ。』

 目に飛び込んできたのは、平宮さんが書いたとは思えないメッセージだ。平宮さんは僕のことを「慶人」と呼んでいる。その後に続く文章でさらに混乱する。来週の月曜日と火曜日に一緒に出かけないかと書かれている。ちょうど盆休みに入った日で、予定は入っていない。

 何をするかも書かれていない、明らかに不審なメッセージだが、他にすることもなければ断る理由はないだろう。普段の平宮さんを見ても変な事はしないはずだ。

 しばらくして慌てたように訂正のメッセージが返ってきた。あのメッセージは平宮さんの友人が送ったモノらしい。確かに人手が欲しいが僕でなくても大丈夫だと、遠回しに僕の辞退を促す文章だが、合いからわずその内容は書かれていない。何をするのか気になり、そのメッセージを無視して集合場所を尋ねる。諦めたのか、当日のスケジュールについて話が移った。

 今年、僕は初めてお盆の時期に誰かと遠出をすることになった。

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