それから
不倫の話です。苦手な方は見ないで下さい、すいません。
それから二年の月日が流れた、いつの間にか二人は当たり前の用にベッドに入るようになっていた。
いつもの駅で待ち合わせて、お弁当を買ってホテルに入る。一緒に湯船に浸かり色んな話をした、利矢の細く繊細な指が背中をずっと愛おしそうに撫でてくれる、それは里美にとってとても幸せな時間だった。
「ずっとこのままでいたい」
「俺もだよ」
「帰りたくない」
「うん…」
帰る時間が近づいてくると、いつも里美の胸は締め付けられるように苦しくなる。泣きそうな里美を利矢は強く抱きしめた。
里美には親から相続した不動産があり、働いていなくてもかなりの収入があった。一方利矢はフリーランスのライターで収入が安定せずいつも困っているようだった。
痩せすぎの利矢を心配した里美は密会の度にサプリメントやレトルト食品、お菓子などを差し入れた。
「ちゃんと食べる用になったからか、最近体調がとってもいいよ、全部里美のおかげだよ、ありがとう」
そう言って笑う利矢を見て、里美は嬉しくなる。
しかしそれは次第にエスカレートしていき、最初は割り勘だったホテル代や食事代、利矢に後の仕事に遅れそうだと言われれば、帰りのタクシー代までいつの間にか里美が支払うようになっていた、寒い日に薄着で寒そうだと想えば上着を買ってやった。それを週に2回もやっていては流石にお金の使いすぎだ、里美にも自覚はあった。
「大好き」
「ずっと一緒にいよう」
そんな会話をしていも、里美の心は次第に満たされなくなっていった。
「もう終わりにしよう」
里美が切り出すといつも利矢が引き止める、
「好きだよ、こんなに好きなに離れないといけないの?」
「俺が貧乏でごめんね」
利矢の言葉を振り切れない、最後にはいつも振り出しに戻ってしまう、そんなことを二人は何度も繰り返した。
読んで頂いてありがとうございます、まだちょっと続きます。