表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/197

Chapter:45 「今度は俺も気がついた」

 博希たちは、フォルシーの背中で、今までゆっくり見ることのできなかったコスポルーダの風景を楽しんでいた。

「あっ、あの道、ぼくらが最初に歩いた道じゃないかなあ」

「なんだ、じゃあもうちょっと近道があったんだなあ。上から見るとよく解らァ」

『グリーンライからイエローサンダまで歩いて旅をなさったと聞きましたが』

「ええ。最初は、スカフィードの家からはるばる歩いて」

『それは凄いですね! 最近はめったにその様なことはしないのに』

「……? じゃどうやって移動すんだ」

『まあ様々ですが――神官様などは自分のような鳥を移動手段にしたり――あとはほとんど車ですね』

「へえ、車があるの? ガソリンで動くの?」

『ガソリン? 何ですかそれは?』

「えっ? んーとね、……」

 五月が説明できなくなって困ったところに、出流が言った。

「僕らの世界で、車に使われているエネルギーです。こちらでは違うんですね?」

『はい。【声】で動くようになっています』

「じゃあ、この世界の人たちって、みんな、【声】の魔法を持ってるんだ?」

『そうなりますね』

 空は青く澄んでいた。

「フォルシー、イエローサンダはまだ見えない?」

『もうすぐです。スイフルセントの居城のお膝元まで、お送りしましょう』

「お膝元? ということは、城下町ですか?」

「じゃ、グリーンライのときみたいに、大きな村なんだね、きっと」

 五月がワクワクする。

「だめですよ、お店を回るなら明日です」

 博希までワクワクしだす前に、出流はクギを刺した。すでに、夕方頃となっている。

「ちぇっ」

「ヘタをしたら宿屋さえ探せなくなりますよ」

『では降ります。つかまって』

 フォルシーは急降下し、石畳の上に足を落ち着けた。

「今日はここに泊まることになるかな。ありがとうフォルシー」

 三人はいたわるように、フォルシーの羽毛をなでた。

『それでは、失礼します。よい旅を。頑張って下さいね』

「そっちも、気をつけて帰ってね」

『はい』

 フォルシーは飛び立っていった。



 博希たちは、フォルシーと別れた後、村の中心と思われる噴水のところで一休みしていた。

「えらく広くねぇか、ここよぉ」

「そうだね」

 まだ夜になりきっていないせいか、石畳には足音が絶えない。多分今から家に帰るのだろう、と思われる母子や、買い物帰りのご婦人などが、忙しく行き交う。

「………………」

 五月が、くん、と、出流のシャツを握って引っ張る。

「……気がつきましたか、やっぱり。五月サン」

「今度は俺も気がついた」

「でしょうねえ……」

 三人を見る人々の目は、好奇にあふれていた。そう。三人は気がついていた。


  この村にも、男がいない!


「スイフルセントのヤロ~~~~! そこまで美少年集めてぇかよ!!」

「でもさ、この村も、美少年ばっかりじゃなかったはずだよね。じゃあ、この村の他の男の人も、どこに行ったのか、調べなくちゃいけないよね」

「とりあえず宿を探しましょう。宿は結構、有力な情報が集まるものです。……この前みたいにね」

 三人は村人に、宿屋の場所を聞いた。村には宿屋が一軒しかないということで、三人はそこに泊まることに決めた。

「ごめんください」

 ドアを開けると、娘と婦人が立っていた。ちょっと床板がギシギシと音を立てるところがアンティークっぽくてよい。

「いらっしゃいませ。お疲れ様でした」

「部屋をお願いしたいのですが、空いてますか?」

「はい。記帳をどうぞ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ