Chapter:41 「――ただいまっ!」
結局、昼休みに弁当を食べていたら電撃をくらって、今の今まで気絶していた、という説明を、学校中の教師が信用してくれた。
その後は時間的に授業再開、というわけにもいかず、騒動の中、三人は学校をあとにした。
「なあ、コスポルーダに戻るの――いつにする」
スイフルセントのことも気になるのか、博希がそんなことを言った。
「……いくらこっちでは時間が経たないとはいえ、向こうでどれだけの旅になるか、想像がつきませんからね。日曜日に一気に何か月か旅をする、というのも、手ではありますが――」
「う――ん」
博希は空を見た。昼間の大喧騒が嘘のように、薄いブルーの、いい空が目の前にあった。
「そうだ――五月サン。言い忘れてました。――おかえりなさい」
「俺も言い忘れてたよ。おかえりっ」
五月はちょっとだけ、びっくりしたが、その後すぐ、笑った。
「――ただいまっ!」
三人はいつものように賑やかに、家へ帰っていった。
博希が帰ると、父親も母親もばたばたと走り回っていた。
彼の家は寿司屋だ。街がしばらく停電状態だったため、注文が入りっぱなしなのだという。店にも客がひっきりなしに出入りしていた。
博希も両親に頼まれ、配達を数か所こなした。あれだけ派手に戦闘をしたというのに、よくスタミナがあったものだと彼は自分でも思ったが、不思議と疲れはほとんどなかった。
「ただいまぁ」
客は一応の落ち着きをみたらしい。父親は茶の間で夕飯を食べていた。
「今、テレビで面白い事やってるぞ」
「あ?」
博希は靴を脱いで、茶の間に上がった。茶の間では、父親どころか、家族全員がテレビに釘付けになっていた。
「何見てんだよ」
「今日の特番!」
「今日??」
博希はテレビ画面を一目、見た。そして、心臓が、止まりかけた。
「ばっ……………………!!!!!!」
多分、今、彼を見ると、白目をむいているだろう、というくらい、博希は驚愕していた。
テレビ画面に映るのは――それこそ映りも悪いし人物の特定は全くできないが、博希には解った――スイフルセントと、鎧装着した自分と出流と、五月!
その頃の若林家。
「すごいわねぇ、まるでドラマの撮影みたい」
どこの世界にそんな奇々怪々なドラマがあるかっ――博希ならそう突っ込む所だろうが、無責任に驚く母親の横で、五月は縮こまって、もしゃもしゃと夕食を食べていた。
父親は黙って、吸い物を飲んでいた。
その頃、――浦場家。
この家は公共放送しか見ないが、今日の事件はさすがにひっきりなしに報道されていた。これを食後に見て腰を抜かしたのは、無論出流である。
「………………」
だが冷静に見てみた――端々、顔が見えるか見えないかのところで、後ろを向いたりしている。画像も荒いし、これなら解析にかけられても正体がバレるということはないだろう――
家族はテレビを見るのに一切口をきかない。彼らが何を思っているか、出流の知るところではなかったが、ひとまずはほっとしていた彼であった。
夜は更けていくのだった。




