Chapter:24 「不思議なモノが降るんだねえ」
イエローサンダを目指して、三人はてくてくと森の中を歩いていたが、
「ワア」
五月が突然に、突拍子もない声を上げて転げた。一歩先を歩いていた博希と出流はその声に驚いて、思わず足を止める。
「どうした?」
「何か背中に入って、ビリッとした」
「毛虫でしょうかね。刺すと厄介ですから、動かないで」
五月は静かに待った。博希が五月のシャツの中にそっと手を入れる。
「……これ……かな?」
どうやらそれらしいモノにぶち当たったらしい。博希はその物に指を触れた。
「うあっ、しびれる! 毛虫じゃないぞこりゃ」
「うん。動かないし、固くてずいぶん尖ってる感じがする、……ん」
五月がすこし顔をしかめる。
「どうしたんです?」
「ビリッとするのが消えた。冷たい感じがするよ」
「もしかしたら出せるかもしれませんね」
出流は五月の背中に手を入れた。
「……出ましたよ。なんでしょうね?」
それはまるでこんペいとうのような、少し黒ずんだ丸いものだった。
そのとき――
「ウッヒャ」
博希が飛び上がって、自分の手をぶん回す。ボトリと落ちたそれは、さっきと形は同じだが、鮮やかな黄色をしていた。
「これと同じものじゃないでしょうか」
「……触ってみろよ。きっとビリッとくる」
「遠慮しておきます。それより、また落ちてくるかもしれません。五月サン、地図を」
「チズヨデローッ。……ここから一番近い村まで、あと、二キロだよ。イエローサンダの村で、サンダリンクっていうんだって」
「じゃ、急ごうぜ」
博希がそう言った瞬間、ドザ――――ッ! と、黄色いこんペいとうが、大量に降り出した。
「うわうわうわ、ビリビリするっ」
「コートのフードをかぶるんですっ。村まで走りますよっ」
三人は真っ黄色の光の中、バタバタと走っていった。
村に着く頃、こんペいとうは止んでいた。
「晴れたって言っていいんでしょうかね、これは」
「でも不思議なモノが降るんだねえ、ここ」
「グリーンライでは光が降ったでしょう。この世界ではそうなのかもしれません」
「そうって?」
出流がさっき五月の背中から取り出した、黒ずんだこんペいとうを出して言った。
「これは雷のかけらなのでは」
「雷の」
「イエローサンダ。その名の通りですよ。黄色い雷の降る都市。グリーンライが、緑色の光の降る都市だったように」
「へえ! じゃあこれからも、いろんな都市で、いろんなモノが降るんだね」
「僕の推理が当たっていれば、ですけど」
村に入った博希たちは、その賑やかな様子に、少し、ウキウキした。しかし、出流がすぐに、何かに気がつく。微妙な、違和感。
「…………?」
まだ、明るい。三人は固まって、村の店を見て回ることにした。




