チートは良くない
良くないね
「どうして昨日のやつがいるんだ?」
どうしてだ。これだと俺の取り分が減ってしまうじゃないか。勘弁してほしい。
いや、まだそうと決まった訳じゃない。まだ町の案内が終わっていないだけかもしれない。
「パーティーに入ってもらうことになったのよ」
「俺は海斗だ。よろしく頼む」
だそうだ。少しは相談してほしいものである。
「あぁ、俺はガキだ。よろしく」
だが、どうだろう。実はこいつは強いのではないか?もし俺の魔法が弱かったとしても普通ならかすり傷程度は負うはずだ。
そうだ。取り分は減るかもしれないが、その分効率が上がるかもしれない。それならまあ、良いかな。
「自己紹介もすんだことだし、クエストを受けましょうよ」
「そうだな」
「報酬が良いやつにしよう」
スライム討伐は簡単だが、その分報酬が少ない。それなら手間があまり変わらなく、少し報酬が高いゴブリン討伐の方がお得だ。仲間も増えたし今日はもっと難しいクエストでも良いな。
「ダメよ。今回はカイトの初めてのクエストなのよ。それに戦い方もよくわかっていないみたいなの」
「大丈夫だろ。俺もまだよくわかってないし」
まあ、とりあえず殴れば良いと思うよ。あと、魔法を使ったり。
「そうなのか?けど、魔法?使えてただろ」
「まあ、カイトは無傷だったけどな」
「ははっ、そうだな......俺にも魔法を教えてくれよ」
「わかったよ」
今回は金をとらないでやろう。将来への投資だ。
とまあ、そんな感じで今日も昨日と同じように、魔法を試しながら、スライムをボコることになった。
あぁ、俺の金が~
「火よ。俺に力を」
そう唱えると火の玉が現れスライムに向かって火の玉が飛んでいく。そして、その様子をカイトは興味深そうに見ている。
ふふ、すごいだろう。見物料をくれても良いんだぞ。
「そう唱えれば良いのか......火よ。俺に力を」
俺と変わらない掛け声。それにもかかわらず、俺とは比べ物になら無い大きさの火の玉がすごい速さで飛んでいき、スライムを地面の草と一緒に燃やしてしまった。
「えぇ......」
化け物だろ。あぁ、自信が無くなってきた。魔法を主な攻撃方法にしようと思っていたけど止めようかな......よし、止めよう。これは、こいつが一人いれば大丈夫なやつだ。
さて、なら俺はどうしようか?
そして、昨日軽く聞いた魔法の種類を思い出す。
火、水、木などの属性攻撃魔法。治癒、身体能力強化などの補助魔法。状態異常や精神攻撃などの害悪魔法。
あ、害悪魔法にしよう。汚く生きよう。これを応用すればお金を騙しとることができるかもしれないし......ある程度できるようになるまでは練習だな。バレると面倒くさいし。
さて、こんなことを考えていると辺りはスライムの亡骸で埋め尽くされていた。カイトヤバくない?
まあ、報酬が多く手に入るだけだから良いんだけどね。むしろもっとやれ。
けどまあ、やりすぎは良くない。倒す敵が居なくなってミオが完全に困っている。
「あれ、もしかして私って要らない子なの?」
思っていても口に出してはいけない。俺も少しそう感じてしまったじゃないか。
まあ、要らない子でもお金が手に入れば良いんだよ。
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