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短編小説

初恋の思い出

作者: やまい ひろあき

小6のクラスメイトで、今でもフルネームが言えるのはあの子だけ。


 「それでお前、どうするよ」

 「あのね、手術するんだって」


 ぼくと彼女はちょっと親しい友達同士。クラスの人達にからかわれたりしてるけど、

 ぼくは彼女が好きだ。

 もうすぐ卒業になるけど、彼女はぼくと同じ中学には行かないと言いだした。

 彼女の名前は山本るり子。

 彼女にはある特徴があって、それをクラスの人達にからかわれていた。

 最初は同情だったと思う。

 だけど、いつの間にかぼくは彼女が好きになっていみたいだ。

 その彼女との別れの思わせる話に、心が寒くなるのを感じた。


 手術をすれば特徴は消えるんだと、彼女は嬉しそうに言う。

 そんな彼女をぼくは止められない。

 だけど・・別れたくない。

 そしてぼくは・・彼女とファーストキスを体験した。


 当時はまだまだ純情な頃で、クラスの人達も素朴と言えば良いのか。

 田舎の小学校のせいもあるかも知れないけど、それ以上は思いもよらなかった。

 制服のまま抱き合う。

 これが精一杯。

 今ならもっと先にとも思うけど、当時は本当にそんな知識も無い子どもだったんだと思う。


 そして彼女はいなくなった。

 ぼくの心には、彼女が占めていた部分にぽっかりと穴が空いた。

 思ったより大きなダメージを得たらしく、あれからぼくは女子と親しくなる事はなかった。

 もう傷付きたくないと、思ったのかも知れない。


 中学でもクラスの女子と話をする事はあったけど、そこから先に進む事はなかった。

 機会はあったと思う。

 下校の時、クラスの子の家まで一緒に帰ったりする事もあったし。

 でも、その子の名前は覚えていない。

 覚えているのは初恋のあの子だけだ。


 あれからもう何年も過ぎたというのに、ぼくは今でも忘れられない。

 新しい恋など思いもよらないぼくは、まだまだ子どもなのかも知れないね。

 手術、成功してれば良いけど。


 それ以来、彼女と逢う事はなかった。


とっくに結婚していると思うけど、忘れられちゃったかな。

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